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Skills Cross ~Another Life~  作者: 敷儀式四季
間之スポ編
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~こうして案外あっさり、それでも濃密だった騎馬戦争が終わる。~

騎馬戦争編、ついに終了!!

 その頃、紅、宴、先町が戦っている場所。


「負けるわけには、いかない!!」

「それは私のセリフよ!!」


 この騎馬戦争が始まったときのような拳と蹴りの応酬が繰り広げられていた。


 だが、最初とは違う点がある。


「すげぇな、お前ら!! なんて攻撃力だよ!!」

 先町の後ろからは宴が迫る。

 つまるところ挟み撃ちだ。


「ったく厄介な!!」

 しかし先町も諦めてはいないようで、拳を固め回転するようにして裏拳を振り回す。


 その動きは避けるより仕方なく、二人とも下がらされてしまう。


「一人ずつ倒す」

 その間に先町が迫ったのは、紅。

 

「そんな簡単には、負けない!!」

 紅も相手の力量を分かった上で戦っている。


 最初のときのようなへまをやるつもりは無い。


 先町の一斉砲撃とも呼べるその攻撃を一つ一つ蹴りで墜として行く。


「……やるな。だが」

 終わりだ。


 先町の口がそう動いたと思ったときにはもう遅かった。


 先町の足が、紅の帽子を的確に捉え、奪っていた。


「あっ――――――――!!」

「もらった」

 足を華麗に操り、帽子を自らの手の内に納めた。


「まったくだよなぁ、お前にばれないようにするの大変だったぜ?」

 その声は先町の後ろからだった。


「……通りでお前のリカバリーが無いと思ったんだ」


 宴が、先町の帽子を奪っていた。


「標的目前、もしくは達成直後というのは脆いって、俺の後輩も言ってたしな」

「無念だ」


 先町が倒れこむ。


「お、紅たちも倒したのか?」

 赤井達が帽子を持って帰ってきた。


 どうやら一倉先輩を倒したようだ。


「私は負けちゃったけど、宴先輩が何とかやってくれたよー」

 はぁー、と足を投げ出して座り込む紅。


 流石に疲れたよ、と座り込む。



 その瞬間、ピー――と甲高い笛の音が鳴り響いた。


「終-----了でーーーーす!!」

 実況の声がマイクを通して響く。


 まだ14:58。終わるはずは無い。


 と言うことは――――――――。


 全員がその思考に辿り着き、大将同士がぶつかっていたところを見る。


「お前ら、勝ったぞぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 高原先輩が、白い帽子を掲げてありったけの声で叫ぶ。


 その横では、崩された白樺の騎馬があった。


『――――――――――――――――――』

 皆が一瞬で静まり返る。


 そして間を少し空けて。


『おおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!』

 紅組の全員が歓喜の声を上げる。


「……ミキ」

 先町先輩は崩れた白樺先輩のところへ向かっていった。


「やべぇ、やべぇな間之スポ!!」

 思わずハイになってしまった。


「これは私も、嬉しいですね」

 相馬もいい笑顔を浮かべている。


「私は帽子取られちゃったけど、楽っしかった!!」

 紅も汗を拭って笑う。



 これが、間之スポか。

 みんなの声を聞きながら、やっぱこういうのが良いものだと思う。


「えー、皆さん聞いてください!! 15:30から結果発表と表彰式を行います!! 皆さん五分前には集合してください!!」


 実況の声が間之スポの終わりを告げた。

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