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Skills Cross ~Another Life~  作者: 敷儀式四季
間之スポ編
89/144

~最後の最後、白組の最終兵器。~

ようやく更新ー。


これから一週間、ブーストかけていくぜー。

「さて、騎馬戦争も佳境!! 残り三十分となってまいりました!!」

「楽しかった間之スポもこれで競技としてはラストですからね」

 実況と解説の声と同時に、両大将から声が響き渡った。


「さぁ、全力と死力と気力を尽くす時が来た!!!」

 高原さんは紅組全軍に聞こえるように、組んでいる騎馬から立ち上がって叫ぶ。


「お前達、これが、最後だ。あの男を倒して見せろ!!!」

 白樺さんも白組全員に命令するように、騎馬から立ち上がって手を掲げて叫ぶ。


『おおおおおぉぉぉぉぉ!!!!』

 もはや地鳴りのように両軍の声がぶつかり合う。


 現在、紅組26138点、白組27542点。

 若干引き離されつつあるが、それも高原さんに言わせればドラマの範疇だそうだ。


 この点差もよく考えてみれば、白組の副将を一人倒すだけで2000pt。逆転はすぐにでも可能なのだ。


「白樺を、堕とすぞ。新倉、予土は右から。渡利、景色は左から。宴、無花果は俺と中央から行く。俺に着いてきたいものは、俺の周りに来い!!」

 そして高原さんの騎馬が前進を開始した。


 周りの騎馬、歩兵が名乗りを上げて高原さんについていく。


「高原を叩きのめせ!!」

 白樺の周りの騎馬も高原さんにぶつかるように突撃を開始する。


「そろそろ、発動する頃かな? “愛すべき女王キャンサー・ザ・クイーンミキ”が」

 高原が笑顔で呟く。


「それって直訳だと癌の女王だぜ?」

 宴がやれやれ、と言った風に呟く。


「宴は知らなかったか? 白樺はそういう名前の才能なんだよ」

「は?」


 宴が疑問に思ったとき、異変が起こった。


『ジーク、ホワイト!!』

 急に白組が叫び始めたのだ。


「な、なんじゃありゃ!?」

「俺のカリスマ性を異常にした感じさ。方向性は恍惚。能力は簡単、効果を受けてしまうと彼女を全力で守るように行動してしまう。また、彼女の命令を全力でこなすようになる」

「……そんな才能ここで使うのかよ」

 ちょっと宴はその光景に引きつつもあったのだ。


「ま、最後の最後には使うとは思ってたさ。彼女も白組の皆に説明済みだろう。彼女自身もその才能を嫌っているようだしね。だからこそ、才能のほとんど通じない先町と付き合っているんだろうけど。そういう精神に作用する才能者ってのは自分の才能が効かない相手には相当な興味を示すものだし」

「高原会長、質問いいですか?」

 その声は宴の隣の瀬々薙のものだった。


「何だい?」

「才能の効果範囲がどれくらいか知りませんけど、どうして私達の紅組にはその“愛すべき女王キャンサー・ザ・クイーンミキ”が通用してないんですか?」

「良い質問だね。それはさっき俺が自軍の士気を最大まで高めたからね。あの才能は自分に心が傾いている人間を更に傾けさせるものであって、元から見向きもしてない人にはかかりにくいんだよ。それでも保険として、こっちの士気を高めてもおいたんだけどね」


 全部計算づくかよ。

 宴は少しげんなりした。


「おい宴、才能を発動しておけよ」

「……なんか高レベルなんだか低レベルなんだか分からない試合だな、っと!!」

 宴の目が見開かれると同時に、高原の騎馬の先頭に躍り出て走り出した。


 そして、最後の決戦が始まった。

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