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Skills Cross ~Another Life~  作者: 敷儀式四季
間之スポ編
83/144

~コンビプレイ、炸裂。~

実はずっと紅のライバル的な才能の構想があったんですが、なかなか出せませんでした。

ようやく先輩という形で出たのが先町なんですね。

 紅のほうが俺より早く退場していたので、テントからは先に出た。


 俺が出るまでに、ついさっきまで起こっていた出来事をまとめよう。


 あの先町先輩はいまだ負けておらず、こちらの被害は増大している一方だ。

 高原さんはいまだ手らしい手を打っていない。


 最高学年でもある過ぎたる世代オーバージェネレーションはいまだ誰一人負けておらず、中等部の退場者は両軍合わせても参加者の70%近くに上っている。


 戦線は俺達の防衛線が引かれている所のすぐ直前、三年生が迎え撃っているところだ。


「後一分か」

 時計を見て思う。


 モニターを見ると、紅がテント前で待っていた。


「ったく、あれ本気でやる気か」

 先ほど話していた紅と俺との策。

 少し無茶があると思うんだが……。

 というか策にすらなってないし。

 

 ふぅ、と溜息をつくと30分が終了した。


「残念だよ、まったく」

 俺はテントを出た。


「もう負けられないからね!! 絶対成功させるよ!!」

「……高原さんも残り30分まで好きにしろって言ってたからな」

 おそらく残り30分になってから劇的な最後を迎えるつもりなんだろう。


 ……遊んでるな。

 でもやっぱり、最高学年はいい笑顔で楽しんでる。

 これをやるのも大学にいってしまえば出来ないから。


 でも。

 先町先輩には、一時退場してもらおうか。


「さっさと走るよ!!」

「お前の速度には着いていけないだろうがな」

 紅が、先町先輩が闘っている所まで先行した。


「ん? そうか、もう復活か」

 それに気づいた先町先輩も警戒態勢を取る。


「先町先輩、先輩の能力の名前って何なんですかぁ!!」

 紅は回し蹴りをしながら叫ぶ。


 だがそれを片腕で防いで先輩も叫ぶ。

「よかろう。お前になら話してもいい。“発射される殴撃(パンツァーファウスト)”、だ!!」

 そして先輩は紅に殴りかかる。


 砲撃のような一撃だが、当たる直前で膝をあて軌道をそらす。


「ふぅ、確かに名前には見合いそうね!!」


 拳が突き出されがら空きになった脇腹を狙う。


「甘い」

 だがそれを逆の腕で殴って止めようとする。


 通常蹴りと拳なら蹴りが勝つのだが、そこは一度紅に勝っている先町先輩。

 本来なら拳が勝つという結果だった。


 だが。

「先輩こそ、背後に気をつけましょうね!!」

 その突き出されようとする直前にその拳が誰かに掴まれる。


「赤井、君……!!」

 思わず先町が振り返ると、そこには先ほど倒した転校生こと赤井の姿が。

 赤井に触れられた先町は才能の力を失い、掴まれてもそう簡単には振り解けない。


 そして、紅の蹴りも脇腹にヒットする。


「ぐっ……!!」

 赤井に掴まれている腕とは逆の手で脇腹を押さえるが、紅は止まらない。


「はぁっ!!」

 今度は紅が顎にヒットするような綺麗な前蹴りを繰り出す。


 そこは先輩、赤井に掴まれていながらも後ろに下がる動作で避ける。


 しかし、紅の顔は笑っていた。


「忘れてませんか? 帽子にはつばがあるんですよ?」

「!?」

 紅の蹴りは最初から顎を狙っては居なかった。

 狙っていたのは帽子のつば。


 見事にそれは命中し、帽子が空へと飛び上がる。


 紅は足を戻してそれをキャッチした。


「これはこれは、ついに最高学年で一時退場者が現れました!! しかも、倒したのはなんと、後輩でもありエース、紅鍵音選手と転校生、赤井夢斗選手です!!」

 実況の声が辺りに響いた。

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