~騎馬戦争、広大な土地で開催される。~
二日に一回更新って言いながら、早速三日目になってしまいました……。
残念。
「今回のステージはこちらです!!」
そう実況が叫ぶと、カメラが動いてその光景を映し出す。
それは平坦なグラウンド。その両端には大きな土山が出来ていた。
それぞれに赤旗と白旗が立っている。
だが、そんなことよりも驚くべきことは、その広さ。
「ここの広さはかの東京ドーム二個分だとか。いやー、毎年毎年広いですね!!」
「広すぎだろ!!」
その声は向こうまで届かない。
「赤井、もういちいち突っ込まないの」
「いやいやいやいや、これおかしいだろ!! どこにこんな土地があるんだよ!!」
色々ぶっ飛んだところがある才能都市で、慣れてきたとは思っていたけれど。
有り得ないだろ!!
「ここは借り物なの。もともと才能の威力を確かめたりする場所なんだよ」
だからって納得できるか!!
「はいはい、みっともないからこっち来ましょうね」
紅にずるずると引きずられた。
さんざん紅と相馬になだめられ、俺もようやく現実を認め始めた頃、実況からまた声が聞こえた。
「では皆さん、用意はいいですか? 一分前です」
時計を見ると、確かに開始時刻まで後一分だ。
「予定通り陣につくぞー」
高原さんの声で、皆が騎馬を組んだり陣形に移動したりし始める。
俺達も例に漏れない。
「お前ら、聞こえてるか!!」
後30秒を切ったとき、高原さんが話しかけた。
「カウントダウンを始めます!! 20、19……」
実況はカウントダウンを始めている。
「楽しんでいくぜぇぇぇ!!!!」
高原さんの声は、紅組に響き渡る。
「10,9,8……」
『おおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!』
「3,2,1、スタートです!!」
そして戦いの火蓋は切って落とされた。
「一番槍隊、出ます!!」
始まると同時に、紅の声が響く。
紅は陣の先端で軍を率いる、一番隊だ。
そう叫んだ瞬間、地鳴りのような踏み切り音が聞こえる。
そして紅は一番槍にたがわぬ速度で、弾丸のように敵の部隊へと走っていった。
その後ろを追い駆けるように紅の部隊が走る。
「このゲームは最初なら兵を無駄遣いするレベルで削っていいからね。まぁ、もちろんそんなことは相手も承知だろうけど」
「基本的にそういう闘い方は嫌いだが、宴ということなら気になることは無い」
土山の頂上では旗を持った宴と高原が話している。
「じゃあ皆も出陣ってことで、行って来い!!」
高原さんの号令で、宴さんが旗を相手のほうへ向ける。
それを合図に、俺達の全軍も動きを開始した。