~棒倒し激戦!!~
燃える展開です。
「って、篠崎っ!?」
篠崎は止まっている味方の生徒に近づく。
「私の才能、忘れたわけじゃないでしょう?」
篠崎の言葉に、向こうで重力をかけているであろう女子が苛立ちを見せる。
「“重力遮断”」
すると、俺達のクラスの面子が見る見るうちに調子を取り戻していく。
篠崎の才能は、重力を無効化する。
つまり、相手が掛けてきた重力に関しても、無効化できるというわけだ。
「全ての才能を消せる赤井君ほどじゃないけど、重力のみに関してなら、範囲で私は無効化できる」
篠崎は空を飛んでいた。
「あなたも、私の才能は知っていたはずだけれど?」
その声は、重力を掛けていた少女へ。
「はっ!! 策にはまったのは貴方達のほうよ!!」
その女の子は、馬鹿にしたように笑い出す。
「考えても見なさいよ、貴方達の先兵はいまだスタジアムの中央。かたや私達はさっきの時間稼ぎで貴方達の棒に切迫している。この差があれば、勝てる!!」
言われてから気がついた。
相手の量が多い、これでは守備に回っている数で何とかなるかどうかは分からない。
かといって今からこっちの生徒を守備に戻しても、間に合うのは紅とごく数名だろう。
「攻めろぉぉ!!」
その声は、守備のほうから聞こえた。
「俺達が何とかして守る!! その間に、敵を攻めろぉ!!」
一理ある。
いまさら防御して何になる。
祭りだ、戦略だ防御だぬかすんじゃない、ノーガードでの殴りあいこそが。
そう思い、赤井は一足先に自軍のほうへと戻った。
「紅、皆!! 敵は任せた!!」
「任された!!」
紅が跳ぶように棒へ向かった。
「総員、紅の攻撃に構えろ!!」
敵も相当紅を警戒していた。
相手は任せたんだ、俺達も、出来ることをしないとな。
敵の遠距離攻撃を体当たりすることで消去する。
だが、敵の数が多い。
あっという間に敵に囲まれてしまった。
流石にタイムラグがある。まだ俺達の兵は敵陣の棒に到達できていない。
棒に取り掛かられる。
「押し倒せ!! 俺達の勝利だ!!」
「ここが踏ん張りどころだぜ!!」
三角形の頂点に位置するところに置かれている棒、その一番敵に近い所の棒はもう倒れかけていた。
と、その次の瞬間。
ズン、という音が響いた。
その音に気がついたのは、棒に取り掛かっていた者達。
「能力付与、“重化”」
その声は、棒に手を掛けている男から。
「藤崎!!」
「“値上昇”。忘れてもらっちゃ困るぜ。さて、重くなった棒をどうやって倒す気だ?」
藤崎の才能、“値上昇”によって棒が重くなり、倒すのが困難になった。
「ちっ!! だが押し倒せば勝機はあるぞ!! 重いということは、その分倒れれば戻しづらくなるということだ!!」
『おぉ!!』
おそらく今のは気休めだろう。
だがそれでいい。
時間さえ稼げれば。
その瞬間、ガンッ、という音があたりに響き渡った。
その音の方向は、2ーBの棒のとある一角。
その一角に紅が、先ほど見せたカンフーキックの要領で棒の頂上付近を蹴り飛ばしていた。
4,5mほどあるはずの棒の頂上付近、相当な跳躍をしたとみえる。
「ちょっ!? 抑えきれねぇ!!」
勢いに負けて、棒がバタンと倒れた。
そして皆がそちらに気をとられた瞬間、こちらでバシュッと音が響く。
今度は2-A、俺達の棒の、今抑えている棒とは別のある棒から聞こえてきた。
「な、何これっ!?」
そこの守備についていたクラスメイトが悲鳴を上げる。
何かに押されているようだ。
「嵐槍:渦々!!」
その声は、スタジアムの中央付近から聞こえる。
嵐山だ。
どうやらその嵐の槍で棒を攻撃されたらしい。
嵐の槍は次々と直撃し、棒を追い込んでいく。
「ゴメン、皆!!」
「ちくしょぉぉぉ!!」
その勢いで棒が倒れた。
残り棒、2本VS2本。
こういう、皆が才能を発揮しあうっていいですね。




