~愛情決闘開始!!~
更新遅れました……。
後、しばらくこれから更新ペースが遅れます。
「もう立てるだろ」
「……ばれちゃった?」
白道は、ゆっくりと叶を地面に降ろす。
そして、樹野の方を向いた。
「少年、随分と大層な口を叩いてくれるなぁ!! その言葉がどれだけ重いかちゃんと分かってんのかぁ!!」
白道は、樹野と同じように覚悟を身に纏う。
「当たり前です。男が、決闘を申し込んだんですから。ここであなたの気迫にびびって逃げ出すような真似はしませんよ」
樹野も平然とその覚悟を受け流すように立つ。
「そうか。ならかかって来いよ。才能でも何でも使ってなぁ。心配するな、殺しやしねぇよぉ」
白道はそう言って構える。
おそらく最後の一言は叶に言ったのだろう。
「いや、樹野君の才能を舐めないほうが良いと思うよ……」
その声が白道に聞こえるか聞こえないかの刹那、樹野が動く。
「“遠当破撃”」
樹野はその場で何故か掌底突きを打つ。
「何をしてぶっ!?」
最後の一言を言い終わる前に、白道が仰け反った。
白道は顔面を押さえて、少しよろめく。
「一体何をしやがった……?」
疑問に思っている間に、樹野はその場でまた動く。
樹野はその場で回し蹴りを放つ。
そうすると、また白道がまるで顔面を蹴り飛ばされたかのようによろめいた。
「意外に丈夫ですねっ!!」
「っつ畜生、白眼視が使えりゃ楽なんだけどなぁ……。何が起きてるんだぁ?」
白道が樹野を睨むと、樹野はかかと落としを放っていた。
その瞬間、右肩にずしりと重みが走る。
「……そりゃ、何だ? お前がそこでした攻撃が俺に何故か直撃するって才能かぁ?」
「まぁ、そんな所。詳しくは教えないけど」
「俺を舐めすぎだなぁ」
ドン、と大きな音を立てて白道が突進してくる。
その音に驚いて樹野が一瞬固まる。
「戦い慣れして無さすぎだなぁ。その程度で敵から目を逸らすとか、なぁ!!」
白道は間を一瞬で詰め、樹野に近づくと右手で樹野の顔面を、左手で腹部を押すように突く。
「!?」
その二撃で身体がくるりと半回転して、地面に叩きつけられる。
「面白い才能なのは認めるし、その覚悟も気に入ったぁ」
地面に倒れている樹野を見下ろしながら白道は呟く。
「ただ、俺より弱いのが残念でままならねぇなぁ」