表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Skills Cross ~Another Life~  作者: 敷儀式四季
間之スポ編
59/144

~四人の邂逅、それは不能。~

昨日はぐっすりでした。

 姉妹は変わらず少しの間止まっていたが、決心したような顔をすると、太陽を睨んだ。


「良い目だ」

 太陽は笑顔になる。


「てぇい!!」

 二人で太陽に突っ込んでいく。


「えっ!?」

 と、思ったが姉のほうが一旦止まる。


「どうしたの!?」

 妹もそれを見て止まる。


「……今のまま行ってたら、五秒後に二人とも倒されてた」

「う、そ!!」

 “一寸先の未来”で見た景色は、二人が地面に倒れていたのだ。


「才能も本当か」

「お前、加減する気ゼロじゃねえかよぉ……」

 白道は気がついていた。


 人にはそれぞれオーラ、のようなものがある。

 例えば、この人は安全そうだな、とかあの人には近づいちゃいけないという風な。

 また、そのオーラを隠すことも出来る。

 例えば、今まで安全そうに見えた人が急に豹変したり、近づいちゃいけない人が実は優しかったりという風な。


 気とも呼ばれている。


 その気が、隠されていながらも、本気であった。

 普通の人間には気づけない小さな挙動。


「心配するな、武器まで使う気は無い」

「いやぁ、そういう問題じゃねぇんだがなぁ……。おい、嬢ちゃんたち。そこで怯えてる場合じゃないだろ? 一時間しかねぇぞ、まぐれ当たりでも狙うつもりでいけよ」

 白道が止まっていた姉妹に言う。


「……まずは、私が行く!!」

 姉の方が太陽に走っていく。


 太陽はそれを見ながら、行動に移る。


 まず右手で襟元を掴もうとしたが、それを見透かしたように姉は後ろに一歩下がる。


「読めてま――――えっ!?」

 だが、急に太陽の腕が伸びた。

 そして襟元をつかまれ、後ろへと投げられてしまう。


「お姉ちゃんが……、どうして!?」

「???」

 姉妹で?を浮かべている。


「簡単だ。さっきは右足を下げて右腕を出してたが、コイツ途中から右足を前に出して移動しやがった」

 その説明は白道がした。


「これくらいなら、最近出てきた無才能の最強とか言う“紅鬼(あかおに)”じゃなくたって出来る」

 最近有名になってきつつある男の名前を呟きながら、姉妹を見る。


「諦めて、たまるもんですか!!」

 姉妹は立ち上がり始めていた。


「やっぱり私が行くよ!! お姉ちゃんはフォローをお願い!!」 

 妹が太陽に走っていく。


「分かったわ!!」

 姉は太陽を見据える。


「面白い。ちょっと、本気出してみるか?」

 そう太陽が言った瞬間、姉の顔がこわばる。


「よく聞いて!! 右上、左上、中心」

「えっ!?」

 そういった瞬間、太陽が右上と左下に手を伸ばしてくる。


 だが、驚いた顔をしながら妹は華麗に避ける。


 その後の中心への打撃も難なく避け、左に回りこんで太陽に拳を撃とうとした瞬間。


「避けてぇ!!」

 姉がそう叫んだ。


 次の瞬間、太陽の左足が服に引っかかり、そのまま蹴る動作で投げられてしまった。


「拳の動作が遅い」

 太陽は冷たくそう言い放った。


「本当に、一撃なんて入れられるの……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ