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Skills Cross ~Another Life~  作者: 敷儀式四季
間之スポ編
56/144

~四人の邂逅、それは激動。~

「さてと」

 解除、と白道が言うと最初に飛び出した女の子が動き出す。


 が、すぐに地面にこけた。


 白道は止めている間に女の子を縄で縛っていたのだ。


「え!? 何で!?」

 自分の身に何が起きたのか、理解できないようだ。


「お、お姉ちゃん……」

「どうして!? いつ出てきたの!? 隠れてろって言ったじゃない!!」

 小さめの女の子も、さっきの間に縛っておいた。


 どうやらこの二人、姉妹らしい。


「さて、嬢ちゃん方。どうして俺らを襲ったんだい?」

 白道が努めて優しく話しかける。


「どう見たって脅してるようにしか見えないよな……」

 だが、白道の姿はチンピラのようだった。


「あんた達が、私達の町を襲ったんでしょ!!」

 姉の方が急に二人に叫んだ。


「? 何の話だぁ?」

「成程な。その言葉で合点がいったよ。君達は俺達がこの町を襲った一味の仲間だと思ってるんだな?」

 太陽が閃く。

 そういうことか、と白道も頷いた。


「ふざけないでよ!! それじゃあまるで違うみたいじゃない!!」

「いや、違うから何とも言えないんだがな……」

 頭を抱える。


「しょうがねぇなぁ。調べといてやる」

「……白道?」

「このまま疑われたままってのは嫌なんでなぁ。俺はお前よりも意外に情報通だったりするんでなぁ。あてはある」

 白道はそのまま歩いていく。


「ふぅ……。まったくアイツは、素直じゃねぇんだからよ。嬢ちゃん、しばらく待っててくれ」

 太陽は縄を解いていく。


「太陽、お前は残ってろぉ」

「何故だ?」

「嬢ちゃん達、ろくなもの食ってないだろぉ? 太陽、食わせてやれ」

「食わせてやれって……」

「じゃあなぁ」


 白道はその町から出て行った。


「……、嬢ちゃんたち、何が食いたい?」

「は?」

「まだ食料とか残ってんのかな……」

 太陽はそのあたりを漁ってみた。


「お、あったあった」

 探した結果、地下室のようなところに冷蔵庫が生きていた。

 どうやら自家発電があるシェルターのような部屋だった。


 ……だが、ここの家の者は隠れる前に殺されているようだったが。


「肉と魚、どっちがいい?」

「……アンタもやっぱり泥棒じゃない」

 ついてきていた姉の方の女の子が言う。


「誰にも食われずに死んでいく食物を粗末には出来ないだろ。嬢ちゃん、名前は?」

「……無い」

「は?」

「思い、だせないの。町の皆が襲われたのは覚えてる。でも、どんな風に呼ばれていたのか、何も……」


 余りの精神に対する衝撃による記憶障害というのはありえる。


「そうか。つらいことを聞いたか? すまない」

「別にアンタに謝られなくてもいいわ。まだアンタを信じてないし」

 きつい目をされた。


 が、最初よりは会話が出来ている。


「肉は、今は食べたくない」

「そうか、じゃあ魚料理にするな」

 ごそごそと調味料などを探す。


「ただ、名前が無いってのは呼びにくいな……」

 考えながら、調理を開始していた。

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