~四人の邂逅、それは突然。~
ここからは白道、太陽コンビと富士姉妹の出会いの過去編ですっ!!
四人の過去が全て明らかにっ!!
14年前、とある国のとある町。
「ひでぇ、こりゃ酷いなぁ」
「まったくだ。ここの町の人たちは何も関係ないというのに」
白道と太陽はある町を訪れていた。
この町で一度休憩してから、また別の場所に行く予定だった。
だが、その町はこの国の戦乱による被害を受け、いたるところに火が付けられ、血と油と硝煙の臭いが辺りに立ち込めていたようだった。
その火は今降っている雨で鎮火されているが、黒ずんだ周りが全てを物語っている。
「……ここを襲った奴らの生き残りかぁ?」
「分からん。だが、気配の消し方も隠れ方も拙い。臆病者の兵が生き残った、ということだろうか。まぁ、生きるということはそれだけで良いことだから、否定はしないが」
白道と太陽はこの町に入ったときから、ある気配を感じていた。
殺気。
他のステータスこそ低いものの、二人に向ける殺気だけは本物だった。
憎しみを超えた、いや憎しみを煮詰めたような。
そういう重みの違う殺意。
「面白ぇ、殺るかぁ?」
「それがお前の悪い癖だといってるんだ、ツキ」
「その呼び名はやめろよぉ」
二人はその殺意を意にも介さずにどんどん歩いていく。
敵。
私達の町を焼き尽くした、敵!!
まだ小柄な少女は、隠れながら前方の敵を睨んでいた。
敵は二人。
一人は背に大剣を背負い、腰には六丁もの拳銃を持っていた。
もう一人は白いスーツを着こなす男で、こっちはよく分からない。
だけど、関係ない。
私の、才能があれば。
私は未来を見れる。
ただし、五秒先だけ。
でも、これがあればどんな攻撃だって!!
そうして右手にナイフを握り締め、少女は飛び出した。
「ん? 危なっかしいお嬢ちゃんだな」
白道のほうに鬼気迫った表情で女の子が飛び込んでくる。
「あなたの動きは、お見通し!!」
私には五秒後、私を殴りかかるのが見えるもの。
「やれやれだ。白眼視」
その瞬間少女は動きが止まる。一時停止のように。
「じゃあ、牙を抜かないとなぁ」
白道はその状態で腕を振りかぶる。
拳が当たる瞬間に才能を解き、殴るつもりだろう。
「おいツキ、やめて――――――――」
太陽が止めようとした瞬間、その目の前を凄いスピードで何かが走っていった。
「お姉ちゃんを殴ろうとするなー!!」
それは白道が止めている少女よりも更に小さな女の子で、白道に体当たりした。
「おぉ!?」
白道は普段からそれくらいじゃあ倒れないくらいの筋肉はつけていたはずだったのだが。
「ん? あらぁ?」
フラッと倒れてしまう。
「死んじゃえ!!」
白道は小さな女の子に馬乗りにされ、その子が持っていた短剣で首を刺されようとしていた。
その時、パァンという銃声が響く。
太陽が拳銃を撃ったのだ。
それは見事に小さな女の子が持っていた短剣に当たり、それは弾き飛ばされる。
「あ!?」
急いで取りに行こうとするが、その首を白道に捕まえられる。
「威勢は良かったけどな、嬢ちゃん。あんなもん嬢ちゃんみたいな子供が持つもんじゃないぜぇ?」