表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Skills Cross ~Another Life~  作者: 敷儀式四季
間之スポ編
55/144

~四人の邂逅、それは突然。~

ここからは白道、太陽コンビと富士姉妹の出会いの過去編ですっ!!


四人の過去が全て明らかにっ!!

 14年前、とある国のとある町。


「ひでぇ、こりゃ酷いなぁ」

「まったくだ。ここの町の人たちは何も関係ないというのに」

 白道と太陽はある町を訪れていた。


 この町で一度休憩してから、また別の場所に行く予定だった。

 だが、その町はこの国の戦乱による被害を受け、いたるところに火が付けられ、血と油と硝煙の臭いが辺りに立ち込めていたようだった。

 

 その火は今降っている雨で鎮火されているが、黒ずんだ周りが全てを物語っている。


「……ここを襲った奴らの生き残りかぁ?」

「分からん。だが、気配の消し方も隠れ方も拙い。臆病者の兵が生き残った、ということだろうか。まぁ、生きるということはそれだけで良いことだから、否定はしないが」

 白道と太陽はこの町に入ったときから、ある気配を感じていた。


 殺気。


 他のステータスこそ低いものの、二人に向ける殺気だけは本物だった。

 憎しみを超えた、いや憎しみを煮詰めたような。

 そういう重みの違う殺意。


「面白ぇ、殺るかぁ?」

「それがお前の悪い癖だといってるんだ、ツキ」

「その呼び名はやめろよぉ」

 二人はその殺意を意にも介さずにどんどん歩いていく。




 敵。

 私達の町を焼き尽くした、敵!!


 まだ小柄な少女は、隠れながら前方の敵を睨んでいた。


 敵は二人。

 一人は背に大剣を背負い、腰には六丁もの拳銃を持っていた。

 もう一人は白いスーツを着こなす男で、こっちはよく分からない。


 だけど、関係ない。

 私の、才能があれば。


 私は未来を見れる。

 ただし、五秒先だけ。


 でも、これがあればどんな攻撃だって!!


 そうして右手にナイフを握り締め、少女は飛び出した。


「ん? 危なっかしいお嬢ちゃんだな」

 白道のほうに鬼気迫った表情で女の子が飛び込んでくる。


「あなたの動きは、お見通し!!」

 私には五秒後、私を殴りかかるのが見えるもの。


「やれやれだ。白眼視ホワイトアイズ」 

 その瞬間少女は動きが止まる。一時停止のように。


「じゃあ、牙を抜かないとなぁ」

 白道はその状態で腕を振りかぶる。


 拳が当たる瞬間に才能を解き、殴るつもりだろう。


「おいツキ、やめて――――――――」

 太陽が止めようとした瞬間、その目の前を凄いスピードで何かが走っていった。


「お姉ちゃんを殴ろうとするなー!!」

 それは白道が止めている少女よりも更に小さな女の子で、白道に体当たりした。


「おぉ!?」

 白道は普段からそれくらいじゃあ倒れないくらいの筋肉はつけていたはずだったのだが。


「ん? あらぁ?」

 フラッと倒れてしまう。


「死んじゃえ!!」

 白道は小さな女の子に馬乗りにされ、その子が持っていた短剣で首を刺されようとしていた。


 その時、パァンという銃声が響く。


 太陽が拳銃を撃ったのだ。

 それは見事に小さな女の子が持っていた短剣に当たり、それは弾き飛ばされる。


「あ!?」

 急いで取りに行こうとするが、その首を白道に捕まえられる。


「威勢は良かったけどな、嬢ちゃん。あんなもん嬢ちゃんみたいな子供が持つもんじゃないぜぇ?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ