~太陽と月影、過去の因縁。~ (1)
今回は短めです。
『今ちょうど、たまたま、間之スポに来てるんだがな。その……、今暇だから、一緒に出店回らないか?』
それがメールの内容だった。
メールの宛先は、富士叶。
「お前舐めてんのか!?」
「言ってたろ? いい加減何とかするって」
「俺はこれが終わったら本気で考えるって言ってんだろうが!! 何も今やるとは言ってねぇだろうが!!」
「だーかーら、そういう考えが駄目なんだって。今やらなきゃいつやるんだよ」
「俺はお前のそういう所が一番嫌いだよぉ……。大体手前はあの時も……」
白道は本気で頭を抱えている。
「今のは酷いわよ? 白道さんには白道さんのタイミングがあるんだから」
「わ、悪い」
見た目から見れば中学生に怒られてるおっさんだった。
「ハッハッハァ、お前、本当、面白すぎだよ……」
白道が腹を抱えて大爆笑していた。
「うるさいな。でもさ、美月。こいつが悪いんだぜ? 女の子から告白受けたのを今までなぁなぁで流し続けてきたんだから」
「そうなの?」
ジトー、とした目を見月が白道に向ける。
「い、いや!? だってお前、あの頃はまだ16くらいだったろうが!!」
「知るか。まったく、何が『お前が自立して大人になったらまた考えてやる』だ」
「一言一句思い出すな!!」
やっぱり、ちょっと狂わされるな。
太陽。
「ったく、やっぱりあん時殺しときゃよかったぜぇ……」
白道が嘆息する。
「過去を見るのはよくない、今に生きろよ」
「あん時って?」
「ほら、美月には話しただろ? 俺とコイツが出会ったときだろうよ」
「それ、私も聞きたいな!」
葉月が話に入ってくる。
「まぁ、聞いてて楽しい話じゃないと思うけど……。そうだな、話しておくか。俺のかっこいい過去の戦闘をな!!」
「あん時はかっこいいとも思えんがなぁ」
あれは、十八年くらい前のことだろうか。
次から過去編!!