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Skills Cross ~Another Life~  作者: 敷儀式四季
間之スポ編
48/144

~人の携帯を使ってメールをするのはやめましょう。~

今回から、太陽、白道がメインになっていきますー。

「なら俺も混ぜてくれないかな?」


 その声は後ろから聞こえてきた。


「お兄ちゃん!!」

 紅がいち早くその人物をみて叫ぶ。


「さ、桜さん!!」

 少し遅れて俺も振り向くと、桜さんがそこにいた。


「鍵音、見に来たぜ。君達、久しぶりだな」

 桜さんは俺達に手を振る。


「こんにちわ……」

 天音はそのにおろおろとしている。

 

 桜さんは緊急時にはこの存在感が安心感に繋がるのだが、いかんせん今は、しかも天音が相手じゃ威嚇しているように見える。


「天音、そこまで怯える事はねぇって」

「そうですよ。失礼に当たります」

 藤崎と相馬がフォローした。


「そうだぜ? 別に取って食うわけじゃない。ただ、あんな事件が終わってお前達学生が出店に出向けば、色々と騒ぎになるんじゃないのか?」

 桜さんの言うことは、一理ある。


 俺達はあの“5.01事件”で警察から表彰を受けた。それに、あの事件は情報規制がなされているのか、一般人には色々と謎な点が多く、ネット上では噂が飛び交っている。


「だから、もしもの時は俺が守ってやるってことだ」

 その桜さんの言葉は、とても安心感があった。


「じゃ、ちょっくら電話するわ」

 桜さんはポケットから電話を取り出し、どこかにかけた。


「もしもし、父さん?」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「何だ、桜か。俺にどうして電話した?」

 観客席で次の競技の時間はどれかな、と携帯端末で調べていた火切に桜から電話が掛かってきた。


「そうか、分かった。楽しんで来い。こんな状態の俺が行っても足手まといだろうからな」


「……土産はたこ焼きを頼む」

 そこで電話を切る。


「桜さんからですか?」

 二つ席を飛ばした太陽が聞く。


「あぁ。競技がしばらく無いからどうやら出店に行くらしい」

 そこでこちらに携帯端末を見せる。


 それには、次の競技は数時間後のようだった。


「なら、俺達も家族水入らずで出店に行くか?」

「久しぶりにデートね♪」

「デートデート!!」

 太陽が言い出した提案に、家族が乗った。


「なぁ、ツキ」

「なんだぁ?」

 立ち上がって出店に行く準備をしていたところで、太陽が白道に話しかけた。


「携帯貸せ」

「自分の使えよぉ」

「いいから、早く」

「しょうがねぇなぁ」

 白道は自分のポケットから携帯を取り出す。


 それを太陽は取ると、開いて何かを物凄い速度で入力し始めた。


「お、おい。何やってるんだぁ?」

 白道がぽかんとしている。


「これでよし。ほら」

 太陽が携帯の画面を白道に見せる。


 そこには、『メールを送信しました』という文字が表示されていた。


「お、おいぃ?」

 急いで太陽が携帯を取り戻して、メールの送信履歴を確かめる。


「て、てめぇ!! こいつは……」

 白道が愕然とした顔で画面を見つめていた。

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