~競技その一、障害物マラソン~ (4)
気がついたこと。
競技一つ一つに結構時間が掛かる!!
後もう一つ。
感想もらうとやっぱりモチベーションが上がって更新速度が上がりますね。
「俺に追いつけると思ってんのかよ!!」
嵐山は後ろを見ながら飛びつつ叫ぶ。
「まだ半分も来てないのよ。勝負は最後まで、分からないわ!!」
紅もあわせるように叫ぶ。
「なら、分かるようにしてやるよ!!」
嵐山が後ろに飛んだまま両手を紅に向ける。
「嵐に吹っ飛ばされろ!!」
その瞬間、嵐山が飛ぶときになるプシュウという音とは別の風の音が鳴る。
それは鋭く、突き刺すような攻撃的な音。
そして、紅に向かって何かが飛んできているのが分かった。
地面の砂を巻き上げながら、渦を巻いて、さながら槍の様に。
「ぐっ!?」
余りのことに避けられなかった紅は、その砂の槍のようなものを腹に直撃させてしまう。
紅はそのまま4mほど後ろに吹っ飛んだ。
「どうよ。嵐の槍は。これぞ秘技、嵐槍:渦々!! 心配しなくても身体が吹っ飛ぶだけだ」
ハハハハハ、と高笑いを決め込む。
そうしてまだ、嵐山は先のほうへ行ってしまった。
「くっ!!」
紅は膝をつくが、顔に諦めた様子は無かった。
「というか良いのかあれは!! 攻撃してたぞ!?」
赤井は染山に食って掛かる。
「あぁ、別にOKが出てるじゃんよ。相手に致命傷、また生命に関わるもの、これから続く間之スポに影響が出なければな」
「そんなのでいいのかよ……」
「うちの学校は色々とゆるいからねー」
会話に十島が入る。
「いざとなったら教職員全員と風紀委員で止めるじゃん。あの戦力にこの学校で勝てる奴なんていないじゃん」
まぁ、それくらいの構えはしてもらわないとな。
紅の才能は走ること以外となると近距離戦闘にしか向いていないからな……。
頑張れよ、紅。
赤井は心の中でひそかにそう思った。
「辛気臭い顔は似合いませんよ」
赤井が心で願っていると、肩に手を置かれた。
「あの技はそこまで危険な技ではないでしょうしね」
振り返ると相馬だった。
「一体どういうことだ?」
「あの技はおそらく嵐山さんの才能“嵐の射出”を使って空気の槍を作っているようなもの、つまり突貫性の高い小さな嵐みたいなものなんです」
「だから何なんだ?」
「赤井君も見たでしょう。あの槍は進む途中で地面の砂を巻き上げる。ですから、姿が見えるんですよ。突貫性が高いということは、直進性が高いということ。先ほどのような初見の奇襲でもない限り、避けるのは容易なんです。おそらく、紅さんももう気がついてると思いますよ」
モニターを見ると、確かに嵐山に追いすがりながら槍を避けている紅が見えた。
しかも、あれは……。
「おいおい、どんどん速度を上げてんじゃないのか、ありゃあ……」
紅は土煙を起こしそうな勢いで嵐山と第三障害に迫っていた。