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Skills Cross ~Another Life~  作者: 敷儀式四季
間之スポ編
38/144

~競技その一、障害物マラソン~ (1)

遅くなりましたが更新です。

「この度、間之崎スポーツカーニヴァル、実況を勤めさせていただくのは、繰村くるむらかたりでございます。えー、今回もこの競技の時がやってまいりました。障害物マラソン大会。まもなく開催です!!」

「解説は、音無おとなし有木ありきでおーくりします」


 上から放送の声が聞こえてくる。


「このレースはその特製上デッドマ○レースと呼ばれていてだな……」

「そんな恐ろしい訳ないだろ」


 今俺達は生徒用応援席なるところで紅の勇姿を見ようと応援していた。

 映像はでっかいハイビジョンテレビから見ている。


「では、伝統あるコースの紹介をいたしましょう!!」

 実況の人の声はやけに甲高い。


 ネズミの国じゃないんだから。


「まずこのレースの走るルートはもちろん変わっておりませんが、いつも通り選手がその場所に到達するまでは障害物が何なのかは、私達でも知りません!!」


 随分バラエティ色強いな。


「この競技は全員が楽しむための競技ですからね。ここは相当盛り上がりますよ」

「へぇ、そうなのか」


 相馬が説明してくれていると、今まで映っていたハイビジョンの映像がアップになった。


「では、今回も選手の説明を行いたいと思います!! エントリーナンバー1、中等部1-A――――――」

 その実況の声で一人一人の顔がアップになりながら、ご丁寧に才能まで説明して語ってくれている。


「次は大本命かぁ!? エントリーナンバー9、高等部2-A、紅鍵音さんです!!」

 おぉ、と周りがざわめき立つ。


「このレースで3連覇を果たしている紅鍵音さんの才能は皆さんご存知の通り、“超跳躍ホッパー”。その名のとーり脚力の強化のみに重きを置いた才能ですが、その分通常の肉体強化系とはレベルの違うほどの強化を見せてくれるのです」

 解説の音無さんが語る。


「今回も期待できそうですねー!! では次にエントリーナンバー10、高等部――――――――」


 実況が次の人に移ると、みんなの興味が少し薄れたようになる。


「本当にすごいんだな。紅」

「そうじゃん。凄いじゃん。疾風迅雷じゃん」

「赤き閃光ー」

「赤き稲妻な」


 とにかく、期待が持てそうだった。


 そんな風に話していると、いつの間にか実況の人の選手説明は終わっており、どうやら始まるようだった。


「ではでは、喋るのもこのくらいにして始めましょう。開始五秒前です。5、4、」

 実況の人の掛け声に、見ていた周りの観客の声も重なる。


『3、2、1! スタート!!!』


 スタートとともに、ドンッと大きな音が響いた。

 それは空砲の音でもあり、そして別のものでもあった。


 スタートの瞬間、紅は思い切り地面を蹴って飛び出したのだ。

 そのときの踏みしめる音、まるで震脚のようなものがモニターから聞こえてきた。


 紅は一瞬でトップに躍り出た。

 しかもひとっ跳びで走り出した選手と10メートル程差をつけて。


『おぉ!!』

 モニターを見ていた全員もそれには驚いたようだ。


「いやいや、毎年毎年どんどん紅さんのレベルは上がっている気がしますね」

「そうなのか? 相馬」

「えぇ。去年はここまでの音は響かなかったんじゃないでしょうか」


 どうやら今年は去年より凄いらしい。


「今年こそは負けねぇぇ!!!」

 そんな声が紅の後ろから聞こえてきた。


 慌ててカメラがそっちにあわせる。


「嵐山君、だったっけ?」

 体育でソフトボールのピッチャーをやっていた彼じゃないだろうか。


「彼は去年から出場していますね。才能は“嵐の射出(ジェットストーム)ではなかったでしょうか」


 嵐の射出(ジェットストーム)

 その才能は確か周りの空気を集めて一本の嵐と変えて集めた空気を撃つとか言うものじゃなかっただろうか。


 カメラがその嵐山を映していると、ぴしゅぅぅ、と何か空気が抜けるような音がした。

 すると嵐山も紅と同じように飛んで行く。


「やっぱり嵐山は強敵じゃんよ」

「そうなのか?」

「あの才能は言うなればジェット噴射だからねー。機動力なら負けないんだよー」


 そう言っている間に紅の横にまで迫ってきていた。


「今年は勝つ!! 紅!!」

「出来るものならね」


 二人は後続を引き離しながら、一つ目の障害物へと向かっていた。

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