~十島に訪れるはずの残酷な運命。~ (6)
二週間ぶりですね。
更新が非常に遅れてごめんなさい。
焼き尽くすような紫外光線の前に人間は無力でした。
体力がー、削られるー。
毒の沼地のような今日この頃です。
「ハッハッハ、生徒会長に俺はなる!!」
「どこかで聞いたセリフ……」
「なんだか面白い人ー」
いつの間にか俺達と高原さんは意気投合していた。
「しかし、凄いですね。“観察者”でしたっけ。それのおかげでだいぶ助かりました」
先ほどからも命の危機にあっているのだが、高原さんの才能“観察者”でそれを未然に防ぐことが出来ていたのだ。
「まったく、お前達相当に運が悪いのか? もう早く家に帰ったほうが良いぞ?」
高原さんには十島の事情は話していない。
これ以上迷惑をかけるのは良くないと考えたのだ。
「そうですね。では、ここでお別れですか?」
「だな。そういや十島君。君の家はどの辺だい?」
「えーと、向こうのほうですー」
十島はここから東のほうを指差した。
「その近所に十島っていう同じ名前の人はいるかい? もしくはご兄弟とか」
「……? いませんよー?」
俺達二人は高原さんが何を言っているか分からなかった。
「そうかいそうかい。分かった。じゃあね君達。楽しかったよ」
高原さんは手を振って分かれていった。
「一体どういう意味だったじゃん?」
「さぁー」
外に出て、外のほうがよっぽど危険だと分かり、高原さんの言った通り家に帰ることに。
「さてと、今日はお前を一日守り抜く気持ちで泊まってやるじゃん」
染山は十島のうちに泊り込むようだ。
そうして帰っている最中のことだった。
「危ない!!!」
そんな声が響いた気がした。
ふと地面が暗くなる。
染山と十島が上を見ると、鉄骨群が俺達の上に降り注いできていた。
「ビルの工事現場っ……!?」
染山は横を見るとそこはビルの工事現場だった。
一本の鉄骨なら何とかなるかもしれないが、今降り注いできているのは5.6本という大量な量だ。
跳んで逃げるには不可能な量。
「死、ぬー?」
十島は呆けている。
どうする!?
どうするどうするどうする!?
「多分、紫瀬は今死ぬような男じゃないー」
えいっと。
十島は染山を突き飛ばした。
思わぬ十島の力に、染山は尻餅をついてしまう。
「な、何すんじゃん!!」
「紫瀬は多分今死ぬような男じゃないー。だから、大丈夫。この鉄骨は僕に当たりこそすれ、紫瀬に当たることはないはずだー」
十島は言い切ると、鉄骨群のほうを振り返った。
後数秒で鉄骨が落ちる。
十島が、死ぬ。
その瞬間、落ちてくる鉄骨が非常にゆっくりに感じられた。
「走馬灯、か……?」
何故か時間がゆっくりに感じられ始めた。
このままじゃおそらく、アイツは死ぬ。
「畜生!!」
俺の才能がもっと便利なものだったなら!!
自分の体温を上げるだけじゃあ、あんな鉄骨の量一瞬で溶かしきれる訳が無い!!
――――――――――、自分の体温を上げるだけじゃあ?
もしかして。
できるのか?
いや、今はこの可能性に賭けるしかない!!
染山は尻餅をついたまま十島から鉄骨のほうを見やり、降ってくる鉄骨に向けて手を掲げた。
これからはそこそこな更新ペースで頑張りますー。