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Skills Cross ~Another Life~  作者: 敷儀式四季
間之スポ編
33/144

~十島に訪れるはずの残酷な運命。~ (5)

「やばっ!!」

 目を離した隙に殺されかけるってどういうことだよ!!


 染山は十島を突き飛ばそうと交差点へ走ろうとした。


 しかしその瞬間、誰かが染山の横を抜いて交差点へと走っていった。


 そして染山は走っていった男とは別の男に肩を掴まれた。


「お、おい!! 離すじゃん!!」

「落ち着け。彼は()が助けるから。大体良く考えれば分かるだろうが、走って人を突き飛ばしなんかしたら、突き飛ばしたほうは運動エネルギーを失って止まってしまうだろう?」

「意味わかんねぇんじゃん!! って、同じ顔……?」

 染山はいきなり肩を掴んできた男の顔を見ると、それは先ほど交差点に走っていった男と同じ顔だった。


「今は俺みたいな才能が役に立つときだ」

 そう掴んだ男が言うと、目の前で不思議な現象が起こった。


 交差点へ飛び出した男は十島を突き飛ばすと交差点に取り残されたが、撥ねられる直前でその姿が消えてしまった。


「“もう一人の自分(ドッペルゲンガー)”、解除っと」

 染山の肩を掴んでいた男は言う。


「アンタ、双子か? さっき十島を突き飛ばして交差点から消えちまったほうは瞬間移動系の才能者とか……」

「いや、俺は双子じゃない。いちいち説明するのも何だがな、俺の才能“もう一人の自分(ドッペルゲンガー)”。こいつは文字通りもう一人自分を作ることが出来る。分身みたいなもんだ」

「そ、そんな才能が……」


 染山がいきなり現れた男に驚いて困惑していると、十島がこっちに走ってきた。


「ふへー。今のは死ぬかと思ったー」

「何でお前が一番平静とした声上げてんじゃん!!」

 十島はいつも通りの様子だ。


「あれ、さっき僕のことを突き飛ばして助けてくれた人ー」

「ちょっと驚いたな。あれだけのことがあって尚そう普通に喋れるか」

 流石に十島を助けたであろう男も驚いていた。


「いえいえー。褒められても嬉しくなんかないですよー」

「十島、多分褒めてないと思うじゃん……」

 染山は十島に呆れかえっている。


「ところで、一体どなた何ですかー」

 十島がそんな中男に聞いた。


 そういえば全く知らない人だったのに、随分と普通に喋っていた。


「俺か? 俺は高原衣。まぁそれ以外に肩書きなら間之崎学園の学生くらいしかないが――――――」

 

 そこで高原さんは言葉を区切る。


「次々々期生徒会長になる男だ!!」


「って三年後じゃん!!」

 染山のツッコミは交差点に響いた。

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