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Skills Cross ~Another Life~  作者: 敷儀式四季
桜の強さ。
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~桜の強さの秘密。~ (2)

「おじいちゃん?」

「ええ。時雨ときさめおじいちゃん」

「その人が、どうかしたのか?」

「おじいちゃんがお兄ちゃんに武術を叩き込んだのよ」

 あの桜さんにも師と呼べる人がいた?


「待つじゃん!」

「ん? どうかしたの?」

 と、話が核心に入る前に染山が止めた。


「紅で、時雨って言ったじゃん? 時間の時に、雨で」

「ええ」

「嘘だろ!?」

 染山がとても驚いていた。


「どうしてそんなに驚いているんだ?」

 赤井が聞く。


「だって昔、世界最強とまで言わしめた人だぞ!!」

『?』

 全員が頭に?を浮かべた。


 いや、ひとりは思い出したような顔をする。

「そういえば……」

 相馬はその姿が頭に浮かんでいるようだ。


「そうだ相馬!! 柔道空手合気道から剣道槍術等の日本の武術から、カンフーに太極拳、ソバットにフェンシング、パラクールや古武術等の移動法ですら極めたと呼ばれる生ける伝説と呼ばれていた男じゃん!!」


『ええぇぇぇぇぇぇぇ!!!』

 そんな凄い人なのか?

 紅と相馬を除いた全員が声を上げて驚く。


「その割にはそこまで有名じゃないようなー。だって知ってたのも紫瀬と相馬君だけだったしー」

 そうだ。

 そこまで強い人なのに何故?


「だって、昔はやったチープな都市伝説だもん」

 染山はこともなげに言う。

『はぁ!?』

 今度は染山に食って掛かるような勢いで詰めた。


「お前、そんなことをよく堂々と言えたもんだ……」

 ちょっと呆れかえる。

「そうは言ってもよ、名前と漢字がまったく一緒だったじゃんよ? とはいえ、こんな都市伝説のタイプも珍しかったから、覚えてたじゃん。人を無意味に怖がらせるようなものじゃなくて、ただそう人がいるって話だったじゃん。ま、済まなかったじゃん。さ、話を進めてくれ」

 悪かった、と両手を合わせて謝る染山。


「へぇ、都市伝説になんかなってたんだ、おじいちゃん」

「ん?」

 今、なんか話が傾いたような……。


「その話本当だよ?」

『なぁぁ!?』

 これには全員が驚いた。


「マジで?」

「ええ。じゃなけりゃお兄ちゃんみたいな強さを手に入れられないでしょ?」

「嘘だろ……、そんなマンガみたいな人が……」

 全員がぽかんとしていた。


「じゃあ、ようやく本題に入れそうだね。それで、おじいちゃんが自分の経験から編み出した、あらゆる武術の良いとこ取りをした複合の型、『戦法:千サウザンドタクティクス』ってのがあるんだよ」

「へぇ……」

 ちょっとさっきの驚きから開放された。


「で、おじいちゃんは早くからお兄ちゃんの才能に気がついていて、小学生の頃から戦法:千サウザンドタクティクスを教えてたの」

「桜さんの才能?」

「そう。お兄ちゃんは普通の人とは違う骨格、筋肉、血管、五感をしてて、それでなおかつ尋常じゃない努力をする、そういうところをおじいちゃんは見抜いていたの。つまり特殊な力は無いけど、人間としては最上位の固体って感じの説明なのかな? 進化形とも言うのかも。元々おじいちゃんは”の型は普通の人間には出来ない”って言ってて、自分の代で終わらせる予定だったもん」

 やっぱり、桜さんは普通の人とは違う存在だったってことか。


「それに、おじいちゃんは“お前に此の戦法:千サウザンドタクティクスをやる。だから、れを完結させてくれ”って言ったんだ。そして、お兄ちゃんは完結させたの」

「完結?」

「皆の前でも見せていたはずよ。戦法:千からさらに簡略、複合、消去、作成をした、歩法、攻法、防法、剣法、拳法、槍法、銃法、そして戦法。締めて108の『天法』」

「縮地、とか言ってた?」

「そうそれ。とにかく、おじいちゃんが関係してるの」


 そんな話が裏側にあったのか……。


 全員(なんだかんだで桜の強さを見ていない藤崎を除く)がへぇと言った。


 そのとき、昼休み終了を告げる予鈴がなった。

なんだかんだでこの話、1~2話で終わるような話が連立する気がします。

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