~桜の強さの秘密。~ (1)
では、今回からあの桜の秘密を!!
という訳で、どうぞ!!
「では、SHRを始めちゃいます♪ ん? 篠崎さんはどうしたんですか?」
2-Aでは、SHRを始めていた。
富士叶はクラスを見渡すと、空席があるのに気がついた。
そこは篠崎の席だった。
「篠崎は気分が悪いとかで休みみたいですよ」
紅は事情を知っていたようで、説明した。
「そうですか……。大変ですね」
叶先生はそこまで言うと、たわいもない話を終了させた。
「篠崎さんはあの事件の途中からずっと気分が悪そうでしたね。大丈夫でしょうか」
休み時間、相馬が紅に聞いた。
「じゃあ、今日お見舞いにでも行きましょうか?」
紅は相馬にそう提案した、はずだった。
「心配だな、俺も行こう」
「じゃ、俺も行くじゃん」
「紫瀬が行くならー、行くー」
その話に赤井と染山と十島が急に乗っかってきた。
「うわっ! びっくりするわね。急に話に入ってこないでよ……」
横槍のような声に紅は少し驚いていた。
「別に楽しいものではないと思いますが……。というか、こんな大人数でいいのでしょうか?」
「まぁ、大丈夫じゃないかしら」
紅は一応OKを出した。
そして昼休み。
赤井、紅、染山、十島、藤崎、天音、相馬が集まって食堂で食べていた。
「毎回思うけど、染山君はよく食べるよね……」
紅が観ているのは染山の弁当。
それは重箱のような大きさで三段あった――――――――ってこれ重箱じゃん!!
「ん? すごい腹減るんでな」
「多分ー、紫瀬の才能のせいー」
染山の才能“体温自在”はその名の通りカロリーを消費するのだ。
その才能の影響も大きいのかもしれない。
「うらやましい才能ね……」
「何か言ったか、紅?」
「何でもないわよ」
紅が何かをボソッと呟いた気がするが、教えてくれなかった。
「ところで紅さん、質問があるじゃん」
染山が弁当をがつがつと食べながら紅に質問してきた。
「どうしてお兄さん、桜さんはあんなに強いじゃん?」
『確かに!!』
ここの男子の声が一つになった。
桜さんはなんというか、チートみたいな。
ありえない強さだよね、あれ。
「なんでって言われたら、私のおじいちゃんが関係してるのかな……」
紅は昔を思い出すように説明を始めた。