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Skills Cross ~Another Life~  作者: 敷儀式四季
間之スポ編
120/144

~赤井の過去、どうしても忘れられない記憶。(17)~

ついにSkills Crossの120話目に到着!!


出来ればこれが始まった去年の12日に終わらせたいですねー。

「いやいや、出会って早々酷い挨拶だね。もしも別人だったらどうすんだ? ありゃ死んでるぜ?」


 ふざけるなよ。


 お前ほどの嫌な雰囲気を前面に押し出した奴はいない。


 それより、一体どうやって抜け出したんだ?


 完全に攻撃は当たっていたはずだ。


「振り向く気は無いのか?」


 お前と目を合わせる気はねぇよ。


 俺だって、お前の恐ろしさは重々承知してるんだ。

 油断も隙も、強制的に作らせるほどの男だ。


「つまんないなー。俺はお前の才能も面白そうだとは思ってるんだぜ? クッキー君」

「黙れ!!」


 その声で喋るな。


「やっと反応してくれたか。今の呼び名はお嫌いだったかな?」


 そのあだ名は。


「そうだよなぁ。あの閉子とじこちゃんが使ってたあだ名で、俺もそうやって君のことを呼んでたんだから」



 “クッキーもツッキーもピカリンも、皆一緒に笑おうよ!!”


 “先輩もクルリンも一緒にさ!!”



「懐かしいねぇ。才能研究部」


「手前がその名を語んじゃねぇ!! お前さえいなけりゃ……!!」


 楽しくやってたんだ。ずっと。


 お前が、全てをぶち壊したんだ!!


「俺さえいなければ、ねぇ。いいね、その言葉が聞けて俺は満足だ!! ゾクゾクする!!」


 ぞわり、と全身の毛が逆立つ。


 後ろの男は、おそらく顔を歪ませて笑っているのだろう。

 ()()のように。



「死ね、芥子粒も残らず、お前がしたことを悔いながら」


 まだ終わったわけじゃない。


 俺にはお前と戦う策を、それほど腐るほど用意してきたんだ!!


「おらぁ!!」

 俺は振り替えって、そこにいるはずの男に口の中に仕掛けていた錠剤レベルの小さな球体を吐き出す。


 その球体は男へ向かう直前で弾ける様に直径一メートルほどに大きくなり、その姿をぐらりと崩す。


 そしてバシャリとそこにいたMr.バッドエンドに直撃する。


 音から推測して、それは液体だったようだ。


「なんだこ――――」

 一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに体中をわなわなと振るわせる。


「ぐぎゃぁぁぁぁぁっぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 流石に効くよな、お前人間なんだから。


「て、手前ぇぇ!! 何しやがったぁぁぁぁぁ!!」

 Mr.バッドエンドは顔を手で押さえながら、あらん限りの声で叫ぶ。


 その押さえている手からは既に赤黒くなっており、中の肉が露わになっていた。

 顔はもっと酷いことになっているのだろう。


「硫酸だよ。とびっきりのな。俺の才能は圧縮だが、それにも二種類あるんだよ。忘れてたか、知らなかったのか?」


 俺の才能“圧壊クラッシュ”には、二種類の圧縮が存在する。


 一つは通常の圧縮、圧力を操ることで空気を小さな塊にしたり、逆に空気を膨張させたりできる。だが、それは気体の話であり、液体や固体などを圧縮して、()()することは出来ない。もちろん圧力をかけることは出来るが、気体と液体、固体では圧縮率が異なり、気体ではニ気圧で半分の体積になるのに、液体では0.45 × 10の-9乗倍、つまり変わっていないのと同義である。そのため小さくすることは不可能に近くなる。


 それを解決するかのような二つ目の圧縮、物体の大きさのみを圧縮する力である。一つ目の力と違って、圧縮した物体を開放するときの衝撃波等を作ることは出来ないが、どんな物体であっても小さくすることができる。こちらの方はありとあらゆる物理法則を無視しており、極論湖の水を水滴一つにまで圧縮、というよりは小さくすることが出来る。

 

 余談だが、この二つ目で圧縮した物体に関しては、外界に対して何も影響を及ぼさない。

 

 さっきのはあらかじめ圧縮しておいた硫酸を吐き出しただけだが、口の中には何も炎症等は起きていない。


 おそらく空間的な何かを操っているのだろう。



「ああ、あああぁぁぁ!!」

 ぐらりとMr.バッドエンドの体が崩れた。


 立っているのもままならないのだろう。それほどの激痛がMr.バッドエンドの全身を覆っているはずだ。


 硫酸は皮膚に触れるとその部位を脱水させ、破壊する。

 そしてドンドン体の中へ侵食していく。


 洗い流すものも何も無いこの場では、体中を業火で焼かれたような激痛を味わいながら、死ぬだけだ。


 Mr.バッドエンドは体中を赤黒く染め上げながら、うめき声を上げるだけとなった。


 喉が焼かれて声も上げられないのだろう。



 終わった。


 復讐というのは空しさだけが残る、というようだが、どうやらあれは本当らしい。


 終わってみれば、俺の人生は何だったのかと考えさせられる。


 この男に狂わされ、この男に壊された。


 もうやりのこすことはない。世界中でも巡ってみるか。



 あれだけの硫酸をかけたのだ。もう骨ぐらいしか残っていないだろう――――――。


 そう思って目線をおろしたとき、ある違和感に気がついた。


 目の前ではもちろん、Mr.バッドエンドが硫酸をかけられ苦しんでいる。


 だが、余りにも長すぎるのだ。


 確かに皮膚は溶けてぐずぐずになり、炭化した後などいくらでも見受けられる。


 なのに、先ほどからまったくダメージが変わっていないのだ。


「どういう、ことだ……?」


 最初に思い浮かんだのは、極度の再生能力。


 それくらいなら持っていてもおかしくないはずだが、あれは一度死んでしまうと再生が出来ないはずだ。

 これだけの怪我、ショック死して当然のはずの激痛を味わっているのだ。だとしたらこれは無い。


 次に浮かんだのは、目の前がMr.バッドエンドの作り出した幻覚を見せる才能に掛かっている可能性。


 だが幻覚の才能に掛からないように俺はずっと振り返らないようにもしていたのだ。

 吹き付ける一瞬こそ振り返ったが、あの時もあの男の姿をあえてよく見ずに撃った。


 だからこれも違う。



 何だ。

 何かがおかしい。



 何が、起きている?

ザ・復讐タイム。


薬品は本当に危険です。


絶対に悪用しないように!!


崩野は復讐のための道具として使いましたが。


何だろう、最近エグイ描写ばっかりな気がする……。

もっとソフトにしていきたいです。

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