~赤井の過去、どうしても忘れられない記憶。(14)~
ゴールデンウィークが始まってますね。
流石に余裕があるので、頑張って投稿していこうと思います。
「赤井、お前があんなことするなんて……」
「知らなかった……」
「さっさとどっか行け、犯罪者!!」
俺は、学校にいた。
そして心ない一言を投げかけられる。
「違う、俺じゃない、俺じゃないんだ!!」
「あああああぁぁぁぁ!!!」
次の日。
どうしようもない叫びと共に、俺は飛び起きた。
最初に視界に映ったのは、亀裂の入ったコンクリートの壁。
別に知らないところで目覚めたなんて転生モノではなく。
ほぼコンクリートの上に寝たようなものなので、体中が少し痛みながら起き上がる。
「何、すっごいうなされてたけど。流石に悪い夢でも見たのかしら?」
寝起きの俺の目の前に、柱の影から鏑木さんがゆっくりと歩いて現れた。
「……うん」
「そう、それくらい当たり前よ。昨日は有り得ないなんて思ったけどね」
やっぱり普通の子よね。うん。
そう呟いて、鏑木さんが俺に迫る。
「な、何ですか?」
不思議に思った俺の右手の方で、ガチャリと音が鳴る。
少し見てみると、俺の手に手錠がかけられていた。
「って、これは?」
もう少し目覚めているなら驚いていたかもしれないが、どうも寝起きで思考があやふやになっている。
「昨日実験したでしょ? その手錠をかけられると、貴方の“才能帰却”ですら無効化できるって」
それは崩野に試されたことだった。
どうやら崩野は脱獄の際に一つ手錠を持ってきていたようだったのだ。
才能を封じる手錠らしく、俺の才能でも例外ではないようだ。
「ほら、お姉さんの抱っこだよー」
いきなり視界が真っ暗になる。
何故か眼前がふかふかとする。
そして何かに締め付けられた。
その頃ようやく、俺の頭がさっきの言葉を理解した。
俺は、鏑木さんにギュムリと抱きしめられていた。
そうされていると、何だか落ち着く。
母さんをふと思い出す。
なんとなく息苦しい。
………………。
やばいやばいやばいこれやばいって息がちょっと出来なさすぎてってなんか気が遠くなってきたって離して離して!!
赤井が全力で鏑木さんの背をタップする。
「あら、大人の色気はまだ早かったかしら?」
「ぷはっ」
鏑木さんが離れてようやく呼吸が出来るようになる。
酸素のありがたみに感謝。
「大人すぎです。というか仙人じゃないですか」
「仙人いうな」
ブー、と頬を膨らまして反論する。
「ったく、寝起きからお前ら何やってんだよ」
崩野がやれやれ、といった風に端から出てきた。
「いいじゃない、スキンシップよスキンシップ。思春期の少年には大切なのよー」
「別にお前赤井君の何でもないだろ」
「だって可愛いものー」
鏑木が自分で自分を抱いて言う。
「お前、だんだんキャラが崩れてきてるぜ? ったく、今日は決戦の日予定なんだからしっかりしてくれ」
「「決戦?」」
俺と鏑木さんの声が合わさった。