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Skills Cross ~Another Life~  作者: 敷儀式四季
間之スポ編
110/144

~赤井の過去、どうしても忘れられない記憶。(7)~

 俺は脱獄犯という崩野という男と鏑木という女が今住んでいる、ビルの中にいた。


「現在、脱獄犯及び残忍な殺人鬼について全力で捜査しておりますので、国民の皆さんは心配することはありません。怪しい人を見かけたら、警察へお知らせください」


「聞いたか? またやってるぜ。これで何度目だ?」

「五度目ね。流石に有名になるわよ」

 

 ずっと音楽やトークを流していたラジオではまた、俺達を捕まえようとする警察のニュースが行われた。


「さて、少年。聞きたいことは色々あるんだが――――――」


 つばを飲み込み、次の言葉にそなえる。


「お前、()?」




 ――――――――――――――――何?


 俺が、何か?


 そんなもの、分かるわけがない。人間ってだけだ。


「あーもう。口下手ね。こいつが聞きたいのは、貴方のその摩訶不思議な力のことよ」

「不思議な力……」

 あるわけが無い、俺は普通の凡人だ。


「じゃあ、あの忌々しい手錠のような力をもってるのはどういうことだ?」

「て、手錠?」


 また分からない単語に俺が首をかしげていると、鏑木が答えてくれた。


「だーかーら、崩野。自分の知ってることを相手も知ってると思わないの。あのね、赤井君。簡単に説明すると、君には才能を無効化する力があるようなんだよ」

「才能を、無効化……? そんな馬鹿な!? 聞いたことも無い!!」

「そいつはこっちのセリフだ。お前に触るとあの手錠と同じ感覚がするんだよ」


 指を銃の形にして男がこちらを指差す。


「どうやら触れてなけりゃ才能は使えるみたいだぜ? “時騙しの魔女ファントムウィッチャー”」

「何故私に振った。後、名前で呼べ。それあいつらが勝手に付けたあだ名じゃないか」

「あぁ、そうだな。悪い悪い、こっちの方が聞きなれていてな。そうだ、順番がおかしくなったが、自己紹介でもしようぜ? 名前はニュースとかで知ってるだろうが、一応こういうのはしといた方がいいだろ。俺は崩野くずれの響輔きょうすけ。絶賛脱獄犯エンジョイ中だ。もちろん才能持ち、後で説明してやるよ」

 崩野はそこまで言って手を鏑木の方へ向けた。


「そうね、私は鏑木かぶらぎきぬ。私も才能を持ってはいるけれど、戦闘向きではないわ。脱獄できたのはこの男に連れ出してもらったからね。君は?」

 鏑木が今度は俺の方に手を向けた。


「お、俺ですか? 赤井夢斗って言います」

 あんまり言うこともなかった。


 というか、二人が濃すぎるんだよ。


「そして、何だかよくわからないままに殺人犯に祭り上げられたと。OK、時騙し――――鏑木の話も聞いて、俺にはなんとなく事情が読めてきてる。ま、おそらく事態は俺にとっては最高で――――――――」

 また、崩野は俺を指差して言う。


「君にとっては最悪だ」

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