~思うところが無いわけじゃない。~
少し時間を遡って相馬が篠崎の寮を出た後。
相馬はバックから自分の青い携帯電話を取り出していた。
そしてあるところに電話をかける。
「もしもし、焔さんでしょうか?」
相馬が掛けている電話の相手は、都市警察総長でもある焔炎作であった。
「その口調は相馬か? どうした、何か問題でもあったのか?」
焔は“5.01事件”の関係者でもある相馬たちに電話番号を教え、必要なときには掛けて来いと言っていたのだ。
「えぇ。焔さんたち警察が捕まえている“鳥”の、面会をさせてもらいたいのです」
「それは、かなり厳しい相談だな。どうした、何かあったのか?」
電話の向こうの声は厳しいものだった。
それもそう、“鳥”は事件の超重要参考人になっているからだ。
「何かあったといえば、ありました。個人のプライバシーに関わりますので言えませんが」
篠崎のことは伏せた。
勝手にべらべらと話して欲しくはないだろう。
「そうか、しかしな……」
「これは、“鳥”しか解決できない問題なんです。対話をするだけです。お願いできませんか」
相馬は切羽詰るような声で焔に迫った。
「……、しょうがない。一応努力はしてみる、期待はするなよ。明日の朝連絡する」
「ありがとうございます」
焔も相馬の必死さが伝わったようで、相談はしてくれることになった。
5月10日(水)。
朝起きて朝食を食べている途中に、相馬の携帯がなった。
「はいもしもし、相馬です」
「結果が出たぞ」
その電話の相手は焔だった。
「焔さんですか。で、結果はどうなったんですか?」
「今日、午前十時から十時半までなら時間を作れた。どうする?」
どうやら焔は時間を作ることが出来たようだ。
「もちろん行きましょう。学校の一日程度ならすぐに取り戻せますが、これは一度限りのチャンスですから」
相馬はその後待ち合わせ時間と場所を聞き、すぐに学校へ風邪を引いたと仮病を使った。
すぐに着替え、準備を済ませると外に出た。
「ふぅ、早かったな」
待ち合わせ場所には思ったより早く着き、焔を待つような形となった。
待ち合わせ場所は警察署の前であり、学生がサボっているように見えて(ほぼ実際にサボってはいる)少し気まずい。
目の前では少なめではあるが色々な人が交差点をわたっている。
少し、思い出しますね。
“相馬なんてもう知らない!!”
“待てって!! 俺の口の悪さは知ってるだろ!! 今のはそういう意味じゃないんだ!!”
“じゃあ、どういう意味なのよ!!”
“それは――――――――――――”
「待たせたかな」
相馬は昔のことを思い出していて気がつかなかったが、もう焔が来ていた。
「いいえ、少しですから大丈夫です」
「そうか。まったく、お前のせいで昨日は大変だったんだ。ちゃんと身のある話をしてこいよ?」
「えぇ。出来ればそれを望みます」
二人はそのまま警察署の中に入っていった。
土日くらいには頑張ってたくさん投降したいと思いますー。
間違えた、投稿だ。