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【悲報】現代ダンジョン時代、俺の職業がLv.1チンピラ【詰み】  作者: 道雪ちゃん


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静寂を切り裂く足音、12層の迷宮

ゆるゆると書いてます。

変なところがあれば都度ストーリーに関わらない程度に直しております。

11層の主、クリスタル・ヴァルキリーを屠り、一行が足を踏み入れた12層――そこは、これまでの開放的な聖堂とは一変し、視界を遮る巨大な鍾乳石と、複雑に入り組んだ岩の裂け目が延々と続く『静寂の迷宮』だった。



階段を下りきった瞬間、耳に飛び込んできたのは「無」だった。


風の音も、水の滴る音も、魔物の咆哮すらも聞こえない。


ただ、自分たちの心臓の鼓動と、靴が石の床を踏みしめる音だけが、不気味に聞こえる。


「……気持ち悪いな。ひよりん、ここからは聴覚があまり役に立たない。魔物の気配を音で探る探索者の『勘』を、この静寂が狂わせるんだ」


参謀の透が、周囲を警戒する。


世田谷の12層。


ここは不動剣陣が攻略をした際に例えた「精神の削り場」と呼ばれている。


音を吸収する特殊な岩石に囲まれたこの階層では、魔物は一切の足音を立てずに獲物の背後に立つ。


「……大丈夫。透も把握していると思うけど、俺も音は聞こえなくても、『視えて』るから」


ひよりが『看破』を発動させる。


彼の瞳には、岩陰に擬態し、天井の隙間に潜み、獲物が通りかかるのをじっと待つ無数の「熱源」が、鮮明な紅い光として映し出されていた。


「――全員停止。右前方、三つ目の鍾乳石の裏。天井の亀裂。……合わせて四体、隠れてる」


ひよりが敵の位置を割り出した。


次の瞬間、黒スーツの構成員たちが、音もなく散開した。



.........



【12層 中間エリア】


「ギィッ!?」


迷宮の闇に潜んでいた『ケーブ・ストーカー』が、不意を突かれたのは自分たちの方だと気づいた時には遅かった。


擬態を解く暇もなく、構成員たちの「威圧」と短刀が、その喉笛を正確に貫く。


「威圧」を乗せた構成員たちの連動攻撃は、もはや一つの生命体のように滑らかだった。


ひよりが敵の配置を指し示し、透が瞬時に最適な迎撃ルートを解析し指示する。


涼が指揮しながら魔銃で仕留め、フウが風の刃で切り裂き、ライが防壁となって不測の事態を防ぐ。


「……すごいね、みんな。迷いがないよ」


「ボスと透の指示のおかげです。俺たちは信じて動いただけでした」


涼が魔銃を放ち、天井から降ってきた巨大な蜘蛛型の魔物を撃ち落とす。


この12層の真の恐怖は、見えない敵に神経を削られ、13層に辿り着く前に探索者の精神が限界を迎えることにある。


だが、ひより組にとっては、ここは単なる「障害物競走」に過ぎなかった。



.........



【迷宮最深部】


迷宮を突き進むこと数時間。一行は、巨大な円形の空洞へと辿り着いた。


そこは迷宮の唯一の出口であり、13層へと続くゲートを守るボスの領域。


空洞の中央には、岩石と一体化したかのような巨躯を持つ、『アビス・ストーンゴーレム・アサシン』が鎮座していた。


ゴーレムでありながら、その体躯は細身でしなやか。


岩石の表面は周囲の景色を反射する「鏡面」のようになっており、静止していれば視認は難しい。


「……あのモンスター、動かなければ本当にわからないね。でも、殺気だけは隠せてないよ」


ひよりが刀を抜く。 守護者が動いた。


音もなく、巨躯からは想像もできない速度で、岩石の腕がひよりの首筋を刈り取ろうと振るわれる。


ガギィィィンッ!


「甘いよ」


ひよりの『名刀・鬼灯 【焔】』が、その一撃を真っ向から受け止める。


衝撃波が円形の空洞を揺らすが、それでも「音」は響かない。階層の岩石がすべての振動を飲み込んでいく。


「ライ! 正面を抑えて! 涼、フウ、足を止めるよ!」


ライが重戦車のごとき突進でゴーレムに組み付き、その膂力で巨躯を固定する。


「シャァッ!」


フウが壁を蹴り、空中から『裂風連爪』を叩き込む。岩石の体表に無数の刻み傷が入り、鏡面の擬態が剥がれ落ちていく。


「透、核はどこ?」


「右胸の奥、三層目の装甲の裏だ。……ひよりん、一撃でいけるかい?」


「――やってみる」


ひよりが集中を高める。


守護者は無機質なゴーレムだが、その魔力核には、この階層を守るという「強固な意志」が宿っている。


意志があるなら、そこには必ず「感情の揺らぎ」が生じる。


ひよりは自身の影に刀を刺した。『影刺し』。


次の瞬間、守護者の背後の影から、焔を纏った刀身が飛び出し、右胸の装甲を内側から爆発させるように貫いた。


「!?!?!?!?」


核を傷つけられ、守護者の動きが目に見えて鈍る。


バックステップで距離を取る。


「これで、終わりだ。――『無音一刀』」


ひよりが跳躍し、剥き出しになった核へと一線。


紅い閃光。


無機質な岩石の体が、炎を上げながら核と共に割れる。


ガラガラと、守護者の巨躯が砂のように崩れ落ち、12層を支配していた重苦しい静寂が、ふっと消えた。


【ログ:フロアボス『アビス・ストーンゴーレム・アサシン』を撃破しました】

【レベルが 57 に上がりました】



「よし、これで今日の目標は達成したよ!みんな、お疲れ様」


こうして、今日だけでひよりの攻略踏破階層を4層更新した。


レベルも57になったことで、百傑入り、そしてジョブのランクアップも見えてきた。

ブックマーク、リアクション、評価をしていただけると幸いです。

よろしくお願いいたします。

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