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【悲報】現代ダンジョン時代、俺の職業がLv.1チンピラ【詰み】  作者: 道雪ちゃん


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謝罪

ゆるゆると書いてます。

変なところがあれば都度ストーリーに関わらない程度に直しております。

神楽坂ダンジョンの入口のロビーは、朝から奇妙な緊張感に包まれていた。


普段なら攻略へと急ぐ探索者たちが、足を止めてロビーの片隅に視線を送っている。


そこには、神楽坂の攻略最前線を走るトップ探索者、三上ひよりと、昨日の爆音の主である白鷺透の姿があった。


ひよりは、昨夜のスレッドで宣言した通り、今日は攻略装備を一切身につけていない。


隣に立つ透も、昨日の興奮が嘘のように消え失せ、俯いて自身の指先を見つめていた。


「ひよりん、本当にごめん……」


「ああもういいよ。大丈夫だから。ただ俺たちのミスで怖い思いをさせた人がいるんだ。直接謝って、安心してもらいたいからね」


ひよりの決意は固かった。


そこへ、ロビーの自動ドアが開き、一組の男女が入ってきた。


昨日のスレッドで激しく噛みついていた、あの新人探索者の青年だ。


隣には、まだどこか怯えた表情を見せる小柄な少女――彼女が、青年の服の裾をぎゅっと掴んで寄り添っている。


青年はロビーの中央に立つひよりを見つけると、一瞬たじろいだが、すぐに顔を強張らせて歩み寄ってきた。


「おい……本当にいたのか。掲示板の書き込み、偽物じゃなかったんだな」


ひよりは即座に、周囲が驚くほどの速度で深々と頭を下げた。


横にいた透も、直角に近い角度でそれにならう。


「昨日は、本当に申し訳ありませんでした」


ひよりの通る声が、静まり返ったロビーに響く。


「俺が周囲の確認をしたにもかかわらず、閉鎖空間での音響や衝撃への配慮が欠けていました。あなたたちがどれほど怖い思いをしたか、……本当に、ごめんなさい」


あまりに真っ直ぐな謝罪に、詰め寄ろうとしていた青年の言葉が詰まった。


「……あ、いや……。俺はともかく、こいつが……。昨日からずっと、ダンジョンに行くのが怖いって震えてて……」


ひよりは顔を上げ、青年の隣で震える少女の目線に合わせて、少し腰を落とした。


「怖い思いをさせてしまって、本当にごめんなさい。あれは防げた事故だったんです。俺たちももっと早くに気づいていれば……。……約束します。もう二度と、低層で、あんなことはしません。神楽坂の空気を乱すようなことはしません」


ひよりの瞳には、一切の嘘も、トップ探索者としての慢心もなかった。


ただ純粋に、一人の探索者がもう一人の探索者の心を折ってしまったことへの、深い悔恨だけがそこにあった。


「それに」と、ひよりは優しく話し始めた。 「あなたの彼氏さんは、すごく立派でした。掲示板であなたのために立ち向かってまで、あなたのことを守ろうとしたんです。そんな素敵なパートナーがいるなら、ダンジョンはきっと大丈夫です。少しずつ、慣れていけば大丈夫です」


少女は、ひよりの穏やかな声と、嘘のない笑顔に触れ、少しずつ強張っていた肩の力を抜いていった。


「……三上さん……わざと、じゃなかったんですか?」


「もちろん。俺たちも、自分たちの出す音にびっくりしちゃったくらいで」


ここで、ずっと沈黙を守っていた透が、消え入りそうな声で口を開いた。


「……私が、愚かだった。新しい武器のデータに目が眩んで、周囲に人がいるという当たり前のことを忘れていた。ひよりんに……ボスに、こんな風に頭を下げさせてしまったことも、私の責任だ。……本当に、申し訳ない」


透の目には、うっすらと涙が溜まっていた。昨日の「撃ちたがり」な姿とは正反対の、責任に打ちひしがれた少女の姿。


それを見た青年は、大きくため息をつき、頭を掻いた。


「……もういいよ。そこまでされたら、こっちもこれ以上言えねぇわ。……正直、もっと高圧的に追い返されると思ってたんだよ。トップ探索者様がロビーで謝るなんて、普通ありえねぇだろ」


「俺にとっては、攻略よりも家族や仲間の信頼の方が大事ですから」


ひよりが立ち上がる。


「もし、また神楽坂で困ったことがあったら、俺のことは嫌いかもしれませんが、周りの探索者を頼ってください。絶対に力になってくれます。……謝罪の代わりにはならないかもしれないけど、あなたたちが安心して探索できるまで、俺たちができる限りのサポートはさせていただきます」


青年は、確かな「強者」の言葉の厚みに、ひよりが「調子に乗ったボンボン」などではないことを肌で理解した。


「お前、いい奴なんだな。……掲示板であんなこと書いて悪かったよ」


「いやいや。それだけ彼女を大事に思ってるという証拠です。かっこいいですよ」


周囲で見ていた探索者たちからも、安堵の溜息と、ひよりの誠実さを称える声が漏れ聞こえてくる。


その様子を遠くから見守っていた妃那は、指で目尻を拭いながら、手元の端末に記録を打ち込んでいた。


「もう……本当に……」


そう呟く彼女の表情は、心配そうで、そして少しだけ恋する乙女の顔をしていた。


その後、ひよりと透はロビーにいた他の探索者たちにも、一人一人丁寧に謝罪して回った。


攻略スピードを落としてまで誠意を見せるその姿は、神楽坂ダンジョンにおける「三上ひより」の評価を、単なる「強い探索者」から、誰もが信頼を寄せる「真のリーダー」へと押し上げていくことになった。


沈む夕陽がロビーに差し込む頃、ようやくすべての謝罪を終えた二人は、疲労困憊の様子でベンチに座り込んだ。


「……ひよりん、ありがとう。私のせいで、一日潰させちゃった」


「いいよ。これでまた、次から気持ちよく11層に挑めるだろ?」


ひよりが笑いかけると、透もようやく、少しだけ穏やかな笑みを返した。


神楽坂の街並みは、今日も変わらず温かく、二人を迎え入れていた。


明日も3話投稿します。


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よろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
音が響くということは誰もいない層かつ敵に聴覚がある場合に音響兵器が使えることも意味するんだよね... うまく使えばスタンとかできるかも。
でも正直、おっきい銃声ぐらいで怖くなるならダンジョン探索は諦めた方がいいのでは?と思わなくも無い。 低層でも一応命懸けの環境のわけだし何かしらのイレギュラーだって発生する事はあるだろうし。
対物ライフルでトリガーハッピーは止めようね、ショットガンの方が楽しいよ?(どちらも轟音、共に消音機は付かない)
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