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【悲報】現代ダンジョン時代、俺の職業がLv.1チンピラ【詰み】  作者: 道雪ちゃん


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高みを目指して

ゆるゆると書いてます。

変なところがあれば都度ストーリーに関わらない程度に直しております。

「防具一式10万……? 剣士の服ですら3万……無理だ、今の俺じゃ一生買えない」

ひよりは、連日の戦闘でボロ雑巾になった私服を前に溜息をつく。


彼は真面目だ。だからこそ「なぜ破けたのか」を分析し、「耐久性」「撥水性」「可動域」を追求し始める。

「高級な防具じゃなくても、現場のプロが着ている作業着なら、ゴブリンの爪くらい耐えられるんじゃないか?」と、甘い考えで向かったのは、駅裏にある老舗の作業着店「職人の店・鉄腕」だった。



店内には、頑丈そうな服がズラリと並んでいる。 奥から出てきた店主は、首にタオルを巻いた強面の老人だった。


「……おう、兄ちゃん。えらくシュッとした顔立ちだが、撮影の衣装でも探しに来たか?」

「いえ、ダンジョン探索用に。丈夫で安くて、とにかく動きやすさを最優先したいんです」


ひよりの真剣な眼差しに、店主は新聞を置いて立ち上がった。

「……ほう。見てくれより実戦か。気に入った」


店主は「これは重機のオイルがついても平気だ」「こっちは防刃防寒だ」と、ひよりのニーズに完璧に応えるセットアップを提案していく。


ひよりが試着室から出てくると、店主は感嘆の声を漏らした。


グレーのタンクトップ: 「腕を大きく回すなら袖は邪魔。脇の蒸れも防げる」


オレンジの厚手カーゴパンツ: 「暗いダンジョンでの視認性は命。特殊繊維で刃物にも強い」


鉄板入り安全靴: 「ゴブリンに踏まれてもノーダメージ」


鏡の中の自分を見て、ひよりは満足そうに頷く。


「……すごい。すごく動きやすいし、なんだか全身から力がみなぎる気がします」


「だろ? 兄ちゃん、なんだか知らねえが、お前その格好だと『レベル1から一気に成り上がりそう』なオーラが出てるぜ」


「成り上がり……レベルアップのことですね。頑張ります!」


ひよりは5,800円という値段で、理想の姿へと変貌を遂げた。」


野球オイルでテカテカの革鎧を上に装備し、その上にアウター。

そしてバットを肩に担いでダンジョンへ。 すれ違う探索者たちが、次々と足を止めて困惑した顔をする。


「おい、あれ見ろ……なんだあのカラーリング。あと絶対寒いだろ」

「すげえ安っぽそうなのに、あいつのツラだけやけに凛々しいぞ。新手のコスプレか?」

「いや、あのバットの傷……あれガチで殴り合ってる奴のやつだ」


ひよりは「やっぱりオレンジは目立つから注目されるんだな。防犯効果バッチリだ」と真面目に解釈し、地下へと進む。



ひよりが自撮り(機能性報告)を上げると、スレ民たちは爆笑……ではなく、「困惑」と「ツッコミ」の嵐を巻き起こす。


110: 名無しの探索者

待てwww 配色が絶妙に胡散臭くて草


111: 名無しの探索者

イッチ、そのグレーとオレンジの組み合わせ、どこで習ったんだよwww


112: 名無しの探索者

なんか変なBGMが聞こえてきそうな格好だな……。詐欺師の親玉か何か?


113: 名無しの探索者(スレ主)

え? 作業着屋のおじさんが、これが一番『成り上がる男の服』だって言ってたけど……変かな。すごく動きやすいよ


114: 名無しの探索者

店主、絶対イッチのこと面白がってるだろwww



ゴブリンとの戦闘。ひよりは新装備の性能を実感する。

「逃げ足」で翻弄しながら、四方八方から「威圧」を連発。 「おらぁ……そこをどけ……おらぁ……!」


混乱したゴブリンの足を、鉄板入りの安全靴で無慈悲に踏み抜く。

「ギャアアアッ!?」 悶絶するゴブリン。さらにひよりは、ポケットの多いカーゴパンツから「目潰し用の砂」を取り出し、散布。


『卑怯な不意打ちにより経験値ボーナス』

(……やっぱり。この職業、真面目に戦うより『嫌がらせ』に徹した方が伸びるんだな)

ひよりは確信し、そのままバットで叩く。


瀕死のゴブリンに「かつあげ」を使用。 すると、いつもは「汚い布」しか出ないゴブリンから、『装飾が施された魔石』と『身代わりの守護札レア』がドロップしたので、スレに報告。


150: 名無しの探索者

は!? 1層の雑魚から身代わり札!? 市価30万はするぞ!!


151: 名無しの探索者

イッチ、お前そのドブネズミみたいな格好になってから運気がバグってねーか?


152: 名無しの探索者

まさに『成り上がり』……w

どこのマフィアだよw


自宅に戻り、レアアイテムを眺めるひより。 「……やっぱり、装備って大事なんだな。次は、もっと威圧感を出すために……サングラスとか、金ピカの時計とか必要なのかな」


彼のメモ帳には、さらなる「進化」への道が書き込まれていく。 それが、世界唯一のユニーク職が、真の「漢」へと成り上がるための記録だった。

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