会話 ヘド
ヘドがやってきてから1週間が経った。
毎日のようにアニとディスの元へ通い、子供達と遊ばせて帰る。そんな生活を送っていた。
私としては、ヘドを連れていくと言う大義名分を掲げて、毎日友達のところに行けるのは大歓喜だった。
それを言ったら、「毎日こればいいのに」って返ってきた。今回はぐうの音すら出なかった。
なんか恥ずかしいじゃん。それに、こんなバカ寒い時に出歩こうなんて思う奴はいないだろ。
そんな会話をしながら、ふと窓の外に目を向けると、子供達がはしゃいでいた。
…まあ、あれらは別ってことだ。
脳内から溢れ出る感情が、鈍らせてるんだろう。ああやって思うがまま楽しむなんて、いつできなくなってしまったんだろうか。
そう言ったら、「一緒に遊んでこれば?」だってさ。わかってないな。子供の時とは、世界が変わってるんだ。もう、あの時の世界じゃない。そう、あの小さな背丈で背伸びをして、世界を見ようとしたあの時と…。
そうそう、遊びというとヘドがこんなことを言ってきたんだ。
「こうやって遊んでるだけで、本当に強くなれるんでしょうか?」
「遊ぶのが子供の役割だ。それに、友達と関わることでしか得られないものだってある。ま、そもそもそんなちっちゃな体で何ができるんだって話」
「けど、師匠も十分背が低いですよね?」
「黙れ。あいつらがでかいだけで、私は一般的だ」
「僕の一般的は3人から出来上がってるので、師匠は小さいですけどね」
「………」
黙って少し荒く髪を掻いた。にやっと笑った。
なんなんだろうな、こいつは。
そう、鍛錬にしてもそうだった。
シュンが教えてもらってる時に混ざってやってた時も、異様だった。
子供用の小さい木刀を渡されたんだが、それの持ち方がなんかこう…経験した人のそれだった。
「…僕に与えられた物は、剣だけだったので」
あとで聞いたら、そう返された。
そうか、とだけ言い返した。
おおよそ、親がやばい奴なんだろうな。子供に剣渡すってなんだよ。
本でも渡しとけ。立派な鈍器になる。
そんなあほみたいなことを考えさせられる1週間だった。
そして月日が経ち、見回り兼散歩の時に雪が落ちてくる季節がきた。
…さむ。
春ですよ春。花粉しね




