雪だるま 子供
たどり着いたそこには、師匠の家を遥かに凌駕する豪邸があった。
そうとは言ったが、権力を示す装飾や、外敵を阻む策がついているわけではない。つまり、
「…何か文句があるなら聞くが?」
「何も。少し豪華な家だなと」
そういうことだ。
そして庭には、雪?でできた謎の生物が無数に存在していた。なんだこれ?
誰かが作ったのだろうか。もしかして、師匠みたいな魔女が作ったんだろうか?
「………!」
気のせいじゃない。視界の端で何かが動いた。
「…師匠!あれが動いてる!!」
「そんなわけないだろ?これはただの雪だるまだ。何処にでも現れて、いずれ消えていく。そんな存在が動くわけない」
指の先を見るや否や、そう言って鼻で笑われた。
どういうこと?何処にでも現れる?わけがわからない!
「あー、なんか勘違いしてるかもしれないが、雪だるまってのは、まあ、名前の通り雪で作っただるま。だから何処にでも作れるし、いつか溶けて消えていくんだ。だから、動くわけ…」
そんな師匠の常識を、一つの雪だるまがぶち壊した。
「つまりあれは魔女の仕業ってことなんですね」
「……ああ、そうだな………おい、アニ!!お前また何か拾ったのか?!」
「…何かって、それは酷いじゃない。ちゃんとあの子たちも立派な人間よ。ほら、そこで隠れてないで出てきて、みんな」
動く雪だるまの後ろから出てきたのは…子供だ。2人の男の子と1人の女の子で、僕と同じぐらいかそれ以上。
「おかえり、先生!遅かったですね」
「ただいま、みんな。いい子にしてた?」
「みてみて!!みんなでいっぱい、雪だるま作ったんだよ!」
「そうそう!すごいでしょ?!」
「すごいわね〜。ところでみんな、私が出ていく前、何言ったか覚えてる」
子供達の表情が凍りついた。寒さを思い出したのかな?全く動かない。
「たしか、私は、家の中で待っててね。って言ったはずなんだけど……」
「そ、それは…えっと…」
「そう!シュンにいちゃんが外に行こうって!」
「そうです!」
「んなっ、お前ら?!」
「はいはい…まあいいわ。いつもより手伝いしてもらうことで許してあげる」
表情が溶け始めたとき、1人の視線が僕を貫いた。握る手に力が籠る。
「先生!あの子は?」
「えっ、また拾ってきたの?」
「違うわよ〜。あの子は、私の友達の…子供でいいかしら?」
「あほか。弟子だ弟子」
「う〜ん、ま、新しいお友達だと思ってくれればいいかしら。みんな、仲良くしてあげてね」
「は、初めまして。ヘドっていいます」
「俺はシュン、よろしく!」
「私はモルよ。よろしくね」
「リューイって言います。よろしく」
「さ、みんな、ヘド君に色々案内してもらえるかな?」
「わかった!ヘド、行こう!」
差し出された手と、師匠の顔を交互に眺める。
「ここで当分は過ごすんだ。色々教えてもらってこい」
名残惜しいが、固く結んだ手を解いて、差し出された小さな手を握りしめる。
そして、思いっきり引っ張られるがまま、走り出した。
へたですねごめんなさい




