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友達  恋人

「…あの、師匠…」

首を大きく傾けて、視線を向ける。


「なんだ?」


「アニさんとディスさんとはどういった関係なんですか?」

3人の背景を知らない僕には、話がさっぱりだ。僕だけが視界の端にいるように思えた。


「ああ、言ってなかったな。ま、見たらわかると思うが、私の数少ない友達だ」


「“数少ない”じゃなくて、”唯一の“でしょ?強がらなくてもいいわよ〜」


「…片手で数えられるくらいいるわ。なめんな」


「…なるほど。魔女で唯一の友達なんですね」

僕がいない場所に視線が突き刺さった。肯定として受け取って良さそうだ。


「…まあ、そうだな。たしか、350?年前ぐらいからの付き合いだ」


「そうよ〜。ヘドちゃん、テレンちゃんについて聞きたいことがあったら何でも教えてあげるわよ。あんなことやこんなこと…」

「やめろ。あんまり変なことを教え込むな。偏見を抱いたらどうする?」


「さあ?面白いことになるんじゃない?」


「…遠慮しておきます。知りたいことは、自分で聞きたいので」

そもそも、僕のことですら詳しくは話してないし、閉じ込めた過去と感情は、今は見せたくない。



「あら〜、いい子じゃない。将来が楽しみだわ」


「…その点は賛同だな」

2人が見ている将来像は、お互い焦点が合っていないように見えた。どうしてだろうか?



「あ、あともう一つ大事なことを言い忘れてた。あいつらは一応、恋人同士だ」


「一応じゃないわよ〜。ほら」

挙げた左手と右手の薬指には、小さな指輪が付いていた。

意外だ。



「意外だ。とか思ってるんだろ?わかるわ、その気持ち。だって見た感じ、全く真逆の性格だもんな」


「あら〜、酷いわね。人をそうやって決めつけるのは良くないわよ」



「お前が言うか」

「ええ。…でも、ちょっとショックだわ〜。これでも200年は一緒にいるのに…」

一瞬、視線を投げつける。

静かに、右手が差し出された。



「あら、ありがとう。気がきくわね」


差し出された右手と左手を結んだ。まるで、姫をエスコートする騎士のようだ。

その様子や距離からは、どれだけ長い時間を共にしていたかが伝わってきた。




「………」

師匠が負けじと握りしめた。

その姿は、弟を連れ歩く少女にしか見えず、惨めにも思えた。



僕は、その手をぎゅっと握り返した。

私は純愛過激派です。

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