表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

冷たい冬、小さな命

「驚いた。久しぶりのお客さんだと思ったら、倒れた子供が1人とは」


日が入り込む隙もない暗い森。

日課の散歩…じゃなくて、見回りをしている時、物音を聞き、向かってみた先にいたのがこの子供。


「おい、生きてるか?」


柔らかく、氷のように冷たい頬をペチペチ叩く。すると、白い息を少し吐き出し、呻いた。僅かながら反応があった。どうやら生きてるようだ。

ひとまず胸を撫で下ろし、どうするか思案する。


ここは、私が支配する領域。

見渡す限り森が広がる、クソみたいに不便な場所。一番近場の村でも、100kmは軽く超える。

季節は冬。辺りは積もった雪が白く輝いている。今も立ち止まってるから体が冷えてきた。


「…しょうがない。連れて帰るか」


軽く、そして少し温もりを感じる小さな身体を持ち上げて、足早に来た道を戻った。

いやほんとに軽すぎだろ。こんなもんなのか?


白い息が、空に立ち昇った。


ーーー



「……ん」


ここは何処だろうか。

ぼんやりとする意識で、辺りを見渡した。橙色に輝く炎が、うっすらと暗い視界を占領する。


徐々に晴れゆく思考の中、ここが家の中であることが分かってきた。


そうだ。僕は冷たい冬の森で力尽きて、それから…それから?


「おや、ようやく気がついたようだね」


静寂に慣れていた僕の鼓膜を、女の人の声が震わせた。

びっくりして、大きく身体を震わせた。その拍子に、身体のバランスを失った。


やばい!落ちる!



「っと、そんな驚かなくてもいいじゃないか」


「…あれ?」



人の腕ではない。何か柔らかい感触が身体から伝わってくる。目を開くとそこには何もない。

身体を起こそうと力を込める。ふんわりとしていて、力が入らない。


「さ、落ち着いて。そんなに慌てなくてもいいからさ」


そう言って、女の人が優しく抱えて、元の場所に戻してくれた。


「あ、ありがとうございます」


「いいっていいって、困った時はお互い様だろ?…ところでだけど、何処まで覚えてる?私が助けたことは覚えてる?」


「いえ…寒さで意識がなくなって…今気がつきました」


「なるほどね。君は何処から来た?そしてどうして、あんな場所で倒れていた?」


「…先に、貴方の事を教えてくれませんか?」


「おっと、そうだね。先にこちらが名乗るべきだね」


そう言って立ち上がり、机に立て掛けてあった杖を手に持ちこう言った。



「私は、テレン。自称三流の魔女さ」

前作は、修正不可能なところまで行ってしまったので、最新作です。週一投稿でやっていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ