19話 潔白証明
呆れたように言うアガ。
「面倒なんだよ、君を欲しがる理由がないからな」
「よく分かんないけど。私を欲しがる理由は単純ってこと? そんな有能なの?」
「君に関しては能力が特殊だからな。そっちはもっと特殊だ。欲しがるやつはあまりいないな。神秘はデメリットが大きすぎるのだよ」
よく分からん。
アガは頭を抱えて言った
「君は誰にも欲されていない状況でただ特保に喧嘩を売ったってことさ。平和的解決の条件はなんだったかな?」
思い出せば、確かに無所属のまま、流れで喧嘩を売った。
そして平和的解決の条件……両者が欲しがって対立した場合、先に接触した方のモノ。
誰も俺を欲しがっていないときに喧嘩を売った。
つまり、コイツらが欲してくれない限り状況は改善しない。
妙に頭は落ち着いていた。なんでだろうな。もう何度も死んだ気がする。そんなわけはないのに。
怒りじゃなかった。諦めしかない。「なんだまたか」と誰かが言った気がした。
アガの声が響く。
「……君の潔白を証明する。さよならだ」
首に何か刺さった。熱い。視界が曇る。
◇―◇―◇―◇
◇―◇―◇―◇
何か見ていた気がする。眠い。
……呼ばれた。
「聞いているか? おい。証明されたのだよ。無事こちら側だ。全く……奴や残された奴等の相手は精神的に疲れるんだがな。詳しいことは言えないが、おめでとう。こちら側だ。後は任せろ」
「あ、おめでとう? よく分からんけど俺らたった今会ったばかりじゃないか? てかコイツがアガ?」
アガ? の笑顔は崩れない。守衛さんと話した後からどうここに来たのかも覚えていない。
気づいたらここにいて、急におめでとう?
意味が分からん。
「……はあ。私は?」
「君はなんの問題もないだろうし歓迎かね。『証明』を二人連続はキツいからな」
証明ってなに?
「証明ってなに?」
「そのうち分かるさ、くるる」
意味不明だ。
自慢気だし、カルア自慢気だし。ふふーんって胸貼ってるし。コイツ子供っぽいんだかクールなんだかハッキリしないな。
てかホントに証明ってなに?
◇―◇―◇―◇
「じゃあまた来ーい!」
物凄く腑に落ちない! 納得行かない。もうちょっとスリルとかさ。あればいいんだけど。絶体絶命のピンチとか。
ポケットに手を突っ込んで帰路を辿る。
「不満そうだな……まあ記憶は保持できないらしいしな……緊張感はまだくるるには味わえないさ。お前まだ貧弱だし」
「弱さとか関係なくない?」
なんか冷笑してるし、コイツ顔がうるせえ……。
「それに、俺が不満なのは帰りだけ歩きなことだよ」
「私も不満だよ! もしかしてMP切れ?」
カルアは顔を背けて黙り込んだ。もう意味がわからない。そしてポツリと一言。
「……まあ……そんなトコロかな」




