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ここにあるのは非日常!  作者: 華氏アアル
第一章 飛び込めアンコモンセンス
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12話 熱中症には気をつけて

 3人で食べ歩き。相変わらずの快晴。天気が急変する兆候もなし。

「頭痛くなってきたよ…」

「それはどっちでしょうか?」

「どっちってぇ…? あづーい」

「あー暑さにやられてる方ですか。冷却シート持ってますよ? 貼るやつ。直で冷やせもしますが?」

「し、シートを…」

 不飛鳥もしっかり馴染んできて、思っていたよりも長かったカフェへの道のりもそろそろ終わりが見えてきている。どうやらこの辺のようだが。しばらく歩くとそれらしき物を発見。

「おっ。これじゃね?」

「上官のおきにというならおそらくここだと思いますが。見当たります?」

「うちの銀髪がいるはずだし見ればすぐ分かると思うけどー。てかアイツら道中にいなかったし置いてくとかひどいな。気づいてなかったにしてもひでえ」

「……銀髪、ですか。あり得なくはないのが気がかりですがまあ。わざわざここにいる理由が不思議ですし、規律が緩いと言っても単独行動は…しかねません。でもそれなら上官と争っていない理由も納得…ごにょごにょ」

 なんか難しいこと喋り出したが、人影を探そうにも窓の位置が高くて窓際席の人しか見えない。入るしかなさそうだがそういえば。


「氷雨いなくね?」

「…そういえば。居ないですね」

 冷や汗。

「…何か。起きたんでしょうかね」

「…ヤバくね?」

 慌てて来た道を戻ってみる。そうしてみるとその影はすぐ発見された。そう、まあとりあえず見つかりはした。見つかりはしたのだが。

「うへー…」

「「……」」

 歩道に突っ伏してぶっ倒れていた。さっき冷えピ…もとい冷却シート貼ってもらってたのになぜギブアップがこんなにも早いのか。

「どうしようか」

「あれー? なーんか川が見えるよー。あー向こう岸でおじいちゃんが怒ってるーあはー」

「別にどうもしなくていい()()なんですがね。まあレベル1ですしこうなるともう遅いんでしょうか…」

 まあ傍目(はため)から見ても熱中症だというのは分かる。しかし何もしなくていいというのは聞いたことがない。それに『レベル1』とは何のことなのだろうか。そう考えながら、懐から様々な物を取り出し経口補水液を淡々と調合する不飛鳥に視線を投げてみた。

「…なんですか?」

「いや。物知りだな…と」

「…? というか。何の説明も受けていらっしゃらないのですか?」

「受けていないっていうか微塵も知らない」

 怪しむような視線を投げ返されたが、知らないものは知らない。真面目に答えたら呆れたような顔で溜め息をつかれた。

「まあ追々です。上官の目論見がもしあったらズレると嫌なので合流してからにしましょう。それよりもこっちが先です。ほら起きて下さい。座って口開けて」

「ういー。命の水ー」

 ぺたりと座り込んではいるが目が開いてない。にへらにへらしてる。ヤバそうだがまあどうにかなるだろう。

「ほら、口開けて」

「あー」

 なんとなくジーッと見てちゃいけない気がして目を反らした。少しすると。不飛鳥に声をかけられた。

「何やってるんですー。ほら早く行きましょう」

「そうだよくるる君!」

「……」

「どうしたの?」

「熱中症って即時に治るもんじゃなくない?」

「あーほんとになんも知らないんですね。それはちょっとした異能科学の力です。気にすることはありません人体に害はありませんので」

 へ、へえ~。科学の力か~そっかそっか~。…ってなるわけないだろ。『異能』って頭についてる時点でもう知らない分野だし。後で本格的にあの二人問い詰めよう、と決心した。



 また喫茶店の前に行くと見覚えのある二人が立ち話をしていた。多分いないことに気がついて待つことにしたのだろうが気づくの遅くない?

「よっ。間明さんにカルア」

「到着したよー」

「「おう」」

 例の二人は全く同じ返事で返していたが適当すぎないか?

 一人後ろでわなわなしていたのに今更になって気づくが、慌てて間明の方に駆け寄って行ったので何を喋ったのかは分からなかった。

「じょ、上官…マジですか?」

「あー。紛れもなく『先輩』だよ?」

「げっ…。なんでワー…」

 何やらカルアが睨むと押し黙ってしまったようだったが。

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