表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

第3話夢みるあの頃①

「あー、あー!!」


「どうしたんでちゅかー。エルムちゃ〜ん」


「雷が怖いんだろう。明日になれば天気も良くなるはずさ」


母と父が蝋燭で照らされる暗い部屋の中で、俺を抱えながら話している。


俺は泣きながら思う。なぜ泣いているんだろう。


雷の音は今も響いている。怖かったのは確かなんだろう。でも今は雷なんだぐらいの気持ちである。


「お!泣き止んだな。強い子だな、エルム」


父は俺が母に抱かれて安心したと思ったらしい。もしかしたらそうなのかもしれない。


色々とチグハグだと自分でも思う。ふわふわとした感覚だ。


「エルムちゃん、これみて」


そう母は手をひらひらさせてから。


「ライト」


手の中に光の玉を作り出した。


すぐに俺は魔法だ!と思い、この光のたまに目を釘付けにされた。


手の中で色を変える光の玉を見ながら俺は


(ファンタジー世界!)


と強く頭で叫んだ。


あれ?ファンタジーってなんだっけ。




それから5歳になった。


たまに記憶に違和感がある時があったけど、普通の5歳だったと思う。


俺が住んでるところはのどかな村であった。北に広がる森に近づかなければ滅多に魔物すら出ない。


出たとしても弱い魔物が多い。


俺は近所の同年代の友達とよく遊んだ。そして、魔法に興味を持った俺は母から魔法のことを聞いていた。


「ごめんね、エルム。ママはこれしか使えないのよ」


結果は「ライト」という生活魔法を教えてもらったぐらいだ。


でも、魔法に関する一般的な認識もわかった。


この世の中には一般的に初級、中級、上級と呼ばれる魔法のレベルがあって、魔法使いなどは段々と覚えていくらしい。


また、噂では超級やオリジナルと呼ばれる魔法があるのだとか。


そして、一応初級の下に生活魔法と呼ばれるものがある。


初級以上の魔法が戦闘やその他非日常の中で使われるのに対して、


小さな炎を出す「ファイア」や明かりを出す「ライト」などはどのような人でも使えるもの、生活魔法として広まっている。


ただ、これも使える人と使えない人で分かれるらしい。


色々な理由が出ていて、そもそもの魔力量だとか、魔力の特色だとからしい。


ライトは使えるけど、ファイアは使えないとかあるのだとか。


基本的に、魔法には火、水、風、土、光の5種類がある。


光はあるのに闇はないのかと聞いたら、人間が使う例が少なく、魔物やモンスターが使うことが多いらしい。だから、人間の基本性質には含まれないとのこと。


「ママが昔教えてもらったのはこのぐらいかな。将来、エルムのスキルが魔法系だったら、魔法使いを目指せるかもね!」


「スキル?」


「そうよ。みんな7〜8歳ぐらいなるとスキルが出るのよ。でも、スキルは本当に人それぞれだし、何が出るかとか、どうやって決められてるのかと分かってないから、実際出てみないとわからないのよね。」


「生活系、農業系、釣り系、精神系...。とにかくいっぱいあって、実際には運なのよ。」


「へーー、運かぁ。」


「ただいまー。」


父が畑から帰ってきた。


「お?また魔法を教えてもらおうとしていたのか?ただ、ママも使える魔法はライトだけだし、パパは何も使えないしな」


「あなた、今日はスキルについて話してたのよ。」


「なんだ、スキルか!俺は植物が毒を持っているかどうかわかるスキルだし、ママは...」


「わたしはなんとなくその日の天気がわかるわよ」


「エルムはどんなスキルが欲しいんだ?」


スキル、初めて聞いたはずなのによく聞いた感じだ。欲しいスキル...スキル...


ここはやっぱり


「戦う系!」


あれ?何がやっぱりなんだろう?でも、戦うのには憧れる。


「そうか、そうか!エルムは男の子だもんなぁ!勇者とか冒険者になってみたいよな!わかるぞ!その気持ち!」


そういいながら俺を抱えて肩に乗せる。


「はぁ、あなたがいつもそういう物語を読み聞かせるから...。私は危ないことをしてほしくありません。」


「まぁ、いいじゃないか。スキルが出てから考えれば。俺も昔は憧れたんだから男の子はみんなこうさ。」


スキル、いいのが出るといいなぁ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ