急すぎる!!
私はさっきの女性が帰ってからママに向かって叫んだ。
「どうしてこんなことになってるのよ!!」
と。
「あら?話してなかったかしら。ママね、再婚するのよ」
衝撃発言。
そんなのこれっぽちも知らなかった・・・。
「ちょ、じゃぁそれはおいといて・・・なんであの学園に?」
「ふふ。なんとね、相手は大企業の社長様だったの~♪」
うわ・・・
菜にこの少女漫画的展開。
私、少年漫画派だし・・・。
「あ、後ね、3日後引っ越すから荷造りしとくのよ?
お友達にもお別れ言っとくのよ?」
・・・ママには呆れます。
ちなみに次の日とその次の日で私はなんとか荷物をまとめ終えた。
うん、私って出来る子。
そしてすぐ友達にメールを送る。
すぐ何人かからメールが帰ってきた。
「え?!なにそれ?冗談??!」
「流石美紅ママだね・・・いきなり再婚トワ。」
「嫌だよ美紅―――――!」
私は徹夜でメールを打ち続けた。
次の日、私の元家に友達が駆けつけてくれた。
「付いたら連絡すれよ――?」
「元気でな★」
「美紅がお嬢様・・・ぷぷっ、似合わない」
「う・・・うるさいっ。とにかく皆、また会おうね!」
ママが車を発進させた。
漫画では引越しする時って主人公泣いてたけど以外に悲しくないものなんだ―――――・・
って、急すぎて感情移入なんてしてられっか!!
私はいろいろなことを考えているうちに眠ってしまった。
「美紅、美紅。着いたわよ」
ママの一言で目が覚める。
そして薄目で周りを見渡してみる。
・・・・一気に目が覚めた。
「何この―――――・・・」
今は夜中の1時。ママに向かって叫ぼうとしたが何とか踏みとどまった。
あたりは静かだったが、静かに歩いてくる音だけが聞こえた。