通告。
私は、花野 美紅。
漫画をこよなく愛する乙女だ。
(自分で言うのもなんだが)
普通の公立高校に入学するはず・・・だったはずなのだ。
なのに・・・
なのに!!!!
「お嬢様。お迎えにあがりました」
「ぁ・・・・ははははは・・・」
乾いた笑いしか出てこない。
何でこんなことになっちゃってるの―――??!
さかのぼる事一週間前・・・
「美紅、美紅。お話があるの」
「え、なぁに?ママ」
二階でいつも通り漫画を読んでいると、突然ママに呼ばれた。
リビングに下りると、知らない女性が一人いた。
来訪者だ。
「えっと・・はじ、めまして」
私は人見知りだ。
顔が少し引きつり気味な気がする。
しかし女性はそんなことお構いなしにニコニコしている。
「私、こういうものです」
一枚の名刺を渡される。
「・・・・・・・へ?」
思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
だって、これは・・・・
「はじめまして。私は揮乙女学園理事の・・・」
揮乙女学園。それは超がつく、お嬢様学園の名前だ。
何を言っているんだこの人・・・?
正直、私はかなり混乱していた。
「つまり、お母様から聞いていると思うけど、貴女は来週ここに入学してもらいます」
女性が微笑んだ。
「・・・・・ぇ?」
私は唖然とするばかりだった。
ママは相変わらずニコニコしていた。