キス×キス?
(たくみ)→(ひろし)→(たくみ)視点で読んでいただければと思います。
小説家になろうラジオ『トライアングルレッスンJ』に投稿した作品です。
(たくみ)
幼稚園の時、ほっぺにチューした事あったなぁ。
ひろしが休みの時、ひろしは?ひろしは?って聞いてくるゆいこに腹立って意地悪したら泣き出した。
先生に怒られて…ごめんねってゆいこのほっぺにチューをした。
父ちゃんが母ちゃんにやってたのをマネしただけなんだけど、先生に怒られて…迎えにきた母ちゃんにも怒られて踏んだり蹴ったり。
あれから10年ゆいこは覚えているのかな?
あの時からゆいこは特別だった。
だから鮮明に覚えてる…っていうか思い出した。
…ひろしとゆいこが2人で
2人で!映画観に行くとかって言うから。
デートじゃん、デート…
「たくみも行こう!」ってゆいこに誘われたけど
ひろしに
「たくみは好きじゃないと思うよこの映画、無理しなくていいよ」
なんて言われたらオレも行くって言いづらくて
2人の帰りを待っているオレ。
駅までぶらぶら行ってみようかなぁ
迎えに?じゃねーよコンビニに行くだけ。
そうそう
時間を見計らって家を出る。
ゆいこ「いい映画だったなぁ…私もあんな風に彼氏が出来たらいいなぁ」
ひろし「キスシーンも良かったよね?」
ゆいこ「うん…良かったね!私なんてさ、幼稚園の時…」
ひろし「え?幼稚園の時!?」
ゆいこ「そうそう…」
(ひろし)
一通りゆいこから話を聞いて
ゆいこの事はみんな知っていると思っていたのに
初めて聞いた話だった。
ゆいこは事故だよ事故って言って笑ってたけど
オレは笑えなかった。
幼稚園の時とは言えたくみにキスされた事を覚えていたから。
オレはまだ…ゆいこにキス…した事ないのにな…。
ひろし「ねぇゆいこ、どっちのほっぺ?」
ゆいこ「え、、右…だったかな。」
ひろし「じゃあこっちはまだ空いてるよね?今日誘ってくれたお礼」
立ち止まってゆいこの唇にキスしようとした。
ゆいこ「え、ひろし…?ちょっと。」
顔を塞がれて出来なかった。あーぁやっぱりな…
ひろし「ごめんね」
ゆいこの頭に手を軽く置いて気を取り直そうとしたオレの視界に見覚えのある姿が遠くに見えた。
(たくみ)
コンビニを出たオレは
道路の向かいに見たくないものを見てしまった。
ひろしはオレを見てニヤッと笑ったような気がした。
ゆいこはオレに気づいていない。
モヤモヤがさらに増す
ひろしはゆいこにキスをしていたんだろうか?
単に顔が近づいただけ?顔を近づける理由なんて他にある?
車通りも多かったし、はっきり見えなかった…。
ひろしもゆいこが好きなんだろうな。
ゆいこはひろしが好きなんだろうか。
デートならデートって言えよバカ。
帰ってきたら3人で飲もうと買ったジュースが入っているコンビニの袋がやけにじゃまだった。
たくみもひろしもゆいこが好き
ゆいこはデートだなんて思ってなくて
ひろしと2人で映画に行きました。
ひろしはデートのつもりだったろうな…。
たくみが3人分のジュースを買ってコンビニから出てくるのが可愛くて好きです。
ちょっとかわいそうだけどね。