怪奇要約4
怪奇要約4
仕事をやめることにしてから出会った怪奇をまとめておく。将来のことを考えながらもなかなかうまくは行かないものだ。特殊すぎる仕事だからだろう。
園児の像と音
場所…G県文松町の某公園
某保育園の散歩縄の特定の場所に掴まっている怪奇。保育園に縄があると発生する。人間の子供の怪奇と言うよりも、人間の子供の像と、それに合わせた音が動画のように動いているという風に見えた。見つめながら動くとそのまま視界に貼りつくようにしていたので極めて不自然であった。子供達には見えてはいなかったようだが、なぜかこの怪奇が掴む所は人気がなかった。公園の木に縄をかけてから、保育園前の側溝を決まった時間に前後逆にするのがその時取った藍風さん流のやり方。現れた理由は不明。
幽霊博物館(これ自体は怪奇ではない)
場所…L県某市の森の中
古見さんが趣味でやっている博物館。気に入った人にしか見せないらしいが、見せてくれるならとことん案内してくれる。印象的だった展示は『某霊山の幽霊』達が窓からこちらを覗いているもの、『水子』が週齢ごとに飾られているもの、『畑怨霊』になりかける手前のもの、『血塊と屏風覗き』が出産している妊婦(の模型)にまとわりついているもの、『鼠の幽霊と合歓の木の霊』が組み込まれているように一体化しているもの(奇跡的な組み合わせらしい)、『トゥラングマワス』、『幽霊画の幽霊』。『幽霊画の幽霊』の画の幽霊について古見さんはとにかく力説していた。幽霊を飾っているというより、飼育しているというより、監禁しているという表現が一番しっくりくる。
笑い声
場所…G県筆橋町のある通り
夜中にこの通りを通ると人の笑い声でよくわからない言葉が聞こえると言う怪奇。声は聞く人によって老若男女違い、言っていることも違い、聞こえる回数も違った。姿は存在しない。笑い声で聞こえて、しかも意味が分からないのが気持ち悪さを過ぎて不快さを覚えた。私には高い女性の声で「アダマナムベリガリ」と言っているように聞こえた。(外国語のようなので正確な音は書き表せない。)賞状筒を投げつけて、筒に札を貼るのがその時取った藍風さん流のやり方。どうして持っていたのかというと、何となく、使いそうだったからということだった。他にもホチキス、延長コード、手鏡、犬のぬいぐるみなどがリュックサックに入れてあると教えてくれた。
ホーンティングの起こる家
場所…G県G市
ツァップさんが散歩のときに見つけた家。兆候は数か月前からあって、一か月前から本格化したという。家鳴り、気配、足音、温度低下、ラップ音にノック音が特定の部屋で起こった。姿は見ていない。ツァップさんがエクソシストの手法で封印した。ちなみにツァップさんは日本語を片言で話せるようになりつつある。アニメのおかげらしい。
猿馬
場所…N県七山町奥の山中の三川
冬に現れる怪奇。馬の顔が猿のものと置き換わった姿をしている。オスとメス(と仔)がいた。オスはこちら側にも姿を現していた。縄張りの川(とそこにかかっている橋)に人間が入るとその内臓と右の爪を奪う。恐らく食べていた。メスはこちら側には姿は現さない。仔は不明。オスが現れたところに、ボールを投げてメスと仔をおびき寄せ、川の水と苔を鍋に入れて、そこに大きな石を漬け、札を石に貼るのがその時取った藍風さん流のやり方。
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自分にできること、と考えるとデジタルツールを使うことかもしれない。猿馬の件で役に立つことが分かった。問題はそうした機器は極めて高額であるということだ。金が先か、機械が先か。桾崎さんの立ち回りは能力の一種だから真似はできないだろうが、体力や武力をつけることも大切だ。封印や霊力やとなったら作成済みの札や道具を使わないと厳しそうだ。