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第235話 最終週

第235話 最終週


 朝、朝食を食べにレストランへ行く途中でクロミドロと会った。取り留めもない話をして、2人で料理を取りに行くと運の悪いことにメニューががらりと変わっていた。食べないまま帰るのももったいないような気がして、それでもあまり多く取るのもはしたない気がして、なるべく美味しそうなものを選んだ。時間をかけて選んでも目立たなかったのは私が考えることと同じことを考える他のメンバーが何人もいたからで、いつもよりも混雑していた。出発を1日遅らせても良いかもしれないと思った。


 それから、昼前に全員が会議室に集まった。全員が揃うのは飲み会のときにもチーム分けのときにもなかったから、始めの仕事に行く前以来だった。その光景に懐かしさを感じて、同時に、この中のほとんど全員ともう2度と会うことができないという寂しさを感じずにはいられなかった。変わった人が多かったが、本当に素晴らしかった。死ぬ可能性があったのに、何だかんだで全員重傷は免れていた。


 時間になるとピーター氏が登場し、これまでの感謝とお礼のスピーチが簡潔にあった。それから、最後のメンバーの発表が行われた。選ばれたのはマリオ、ロイ、マリンディ、ムスリム、カミラ、サイだった。何となく、最後の仕事が何なのか分かったような気がした。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 私は選ばれた人たちにお祝いの言葉を言って、他のメンバーと立ち話をして、段々人が少なくなっていき、それでも名残惜しく、しかしいつまでもいるわけにもいかないから、自分の部屋に戻った。


 硬貨虫を小さいケースに移して(もう言うことをきちんと聞いてくれるようになった)、トランクに移し、最後に部屋をもう一度見て、部屋を出て、エレベーターに乗った。フロントで乗り合いのバンに予約を入れて、チェックアウトをして、ホテルを出て、夏の日差しを日陰で見ながら、遠くに見える木々の間に目の大きな獣のような怪奇がこちらを見ているのを眺めていると、後ろから話しかけられた。ニックだった。



 彼は、私が追加で選ばれたということを伝えに来た。何とも、何というか…。今までの寂しさは何だったのかと感じるより、真っ先にホテルに事情を説明しに行き(これはニックがもうしていた)、バンの予約を取り消した。それから、気まずく思いながら会議室に行って、そっと扉を開けると、既に事情を聞いていたメンバーから軽く挨拶されて、早速そこに置かれていた資料に目を通すことになった。



 内容は、ニック氏に書いても良いかと後日尋ねたが、「5年待ってくれ」と言われた。自分と敵対するところに知られると、弱みになってしまうかもしれないからであろう。そのため、ややこしい書類に署名をしたし、お付きの人の一人、ネイオミ(始めはナオミと読んでしまった)が1人ずつ呼び出して、記憶を操作したようだった。その間の記憶がおぼろになるのは、何があったか分からなくなる恐怖があったが、その分の報酬は出来不出来にかかわらず相当に出る物だったから、結局誰も断らなかった。(これまで良くしてもらったこともある。信用の問題である)


 私も呼び出されて狭い部屋でネイオミから処置をされたのだが、何故か私には効かなかった。「赤茶色のボブのキュートなガールが邪魔している」と言っていたから、みーさんの仕業に違いない。それからネイオミはどうにかして私に処置をしようと躍起になっていた。人の頭の中で戦わないでほしいと思った。


 結局、できなかった。代わりに、誰かが覗こうとしても見ることができないように、それに関することに封をされた。更に、追加の書類にサインをした。それから会議室に戻って、(既に資料に書いてあったことだが)これから何をするのか、ニック氏が直々にプレゼンテーションをして、私たちはそれをすることになった。

話に合わせて、しばらく更新を休止します。


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