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怪奇要約8

当日中に投稿できました!

怪奇要約8


 ゴールデンウィーク以降、宍戸さんはちょくちょく私と藍風さんそれぞれに連絡をくれるようになった。ファンに知られたら大変だろう。内容は大したことではない(いい感じの廃墟があったとか)。怪奇絡みの仕事があったら話を回してほしいと頼んだら快諾された。良い人だ。


 印象的であった怪奇をまとめておく。



 色塗り鳥

 場所…首都の公園


 少なくても6種類の姿も色も違う鳥のような怪奇達。公園内にそれぞれの縄張りを設けて住んでいた。縄張り争いはその境界で行われていて、嘴を使って自分の色を相手に塗り合っていた。ある程度色が付くと無抵抗となって、完全に塗りつぶされて、その色の群れに加わっていた(姿は変わらなかった)。多分、時間が経つと、色通りの姿に変化するのだろう。



 桜姫

 場所…文松町の某山中


 夜桜で花見をしに行ったときに出会った怪奇。山の中に1本だけ生えている桜の近くにいた。桜の花飾りを頭に着けた、髪の長い人型(ただし両腕は枯れた樹皮のようなもの)で、低い女性のような声を出し、抑揚のない話し方をした。私に自殺を依頼した。


 桜姫はこの地域で信仰の対象となっていたが、かつての信仰者は、既に十分丁重に扱ったからとそれ以上祀り上げるのを拒んでいた。それで、他の似たような怪奇との競争に勝てず、上(が何なのか)からの回収に憂いを感じていたようだった。また、そうした人たちのために花を咲かせることも虚しく感じていたようだった。私達(私、藍風さん、みーさん)もソレが生き残るように動いたが、結局ソレ自身の望みで何もしないことになった。多分、自身で見つけた死に方を全うしていると思う。


 桜姫は色々とできたようで、逃げ出そうとした私を自分のいる場所を含むループした空間に閉じ込める、お猪口に口をつけるとそこに注いだ酒に桜の香りがつくようになる、物に残る自分に関する記憶を消す、桜を含む花をきれいに咲かせる、などができたことから高位の怪奇だったと考えられる。お猪口はたまに使っている。



 引きこもりの幽霊

 場所…G市の潰れる予定(もう潰れた)のネットカフェ→廃墟


 ツァップさんが持って来た仕事で見つけた、痩せ気味でぼさぼさの長髪の幽霊。正体はある界隈で有名だったが、何かがあって引きこもりになった後自殺した女性。ネットカフェの個室のPC台の下にいたが、なぜ自室からそこに移動したのかは不明。


 対応の仕方は素人目には雑で、ストラをかけた私がその場から引きずり出して(その間ツァップさんが呪文を唱えていた)、聖水で囲んで捕まえてから、ホームセンターで買った机の下に移動させて、それごと廃墟に隔離するというもの。机の下に入れるまでは結構暴れていた。ツァップさんは放っておけば天国へ行くと言っていた。まだいるのだろうか。



 ツチブタにとりついた頭

 場所…P県P市の矢子動物園、ツチブタの檻の中


 黒人男性の頭の形をした怪奇。目がなく、細長い舌が何本もあって、それで辺りを移動したり、ツチブタにまとわりついたりしていた。ツチブタに何か悪さをしたわけではないが、ソレが来園客に見られたら困るからという理由でどこかにやってほしいと依頼された。水色の風船の上に杉の葉を三角に並べて、錫メッキの六角ナットを風船の口に置くのがその時取った藍風さん流のやり方。多分、風船の中に引きずり込まれた。



 溶けた顔

 場所…D県伊西町のある山間の集落、松の木のある家の中


 赤紫色の長細く溶けたような大きな鼻を持つ顔。大きな片目が変な方向を向いていて、もう片方があるだろう場所は長く汚れた髪で隠れていた。大きさは推定1.5~2mくらい。周囲を焦げさせる何かを持っていた。


 元々、徘徊癖のあった依頼者の母が出かけなくなって、依頼者が夢でソレと一緒に歩いている母を見て(ただし黒いもやとして)、奇妙に思ったことからみーさんに依頼があった。ソレが依頼者の母の魂の一部(徘徊するという行動?)を持って行ったためにこうしたことが起きたようだ。怪奇の出現場所を予測して、その周囲に糸で吊るした札を仕掛けて、(朝を迎えることで、)対応した。



 ムームーカンカン

 場所…P県見筒岳の奥地


 廃村にある時期に発生する現象。夜、そこにいる幽霊になりかけの9人が、「ムームーカンカン」と唱えながらその場で走るような足踏みをひたすらし続けるもの。毎日タクシーの怪奇がその中の1人を連れて行って消える。最後の1人になるまで毎年行われる。


 動きも声も恐らく何でもよいのだろうが、彼らの間でたまたまそれが効率がよかったとかでそうなっていると考えられている。要は、その場での存在感を増すことで、優位性を示して、タクシーから逃れらているのだろう。そうしたところで、結局連れていかれることには変わらないし、もう死んでいる(正確にはその途中)のに、死を恐れて必死にそうしているのは虚しい。他の人が替わりにその中に入ることで、その中の1人がきちんと死ぬことができるそうだ。


 なお嶽さんは言っていなかったが、彼らの服装から考えると、明らかに意図的にそこに放り込まれた人たちがいる。見せしめ目的だろうか。今回の件は、そういう、怪奇を別の形で利用する人たちを監視する目的もあると思う。どうでも良いがキーボードで入力しにくい。



 狐(嶽さんに化けた)

 場所…同上


 人間サイズの狐。ムームーカンカンを監視する人に化けて他の人を襲っていた。私と桾崎さんという罠(というか囮)に引っかかった所を私が斧で殺した。殺生は好かないが、人間と動物(あるいは怪奇)の境界線を越えたものには、いや、難しい。桾崎さんは自分に知らされていなかったことに落ち込んでいた。子供っぽいというか子供か。



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 上に書いた怪奇との境界線、私達はまたいでしまっている。だから、協会に所属しているということもある。何かあったときは頼りにする予定だ。

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