怪奇要約6
怪奇要約6
色々とあった。結局、人間の怪奇に対する行動、対応次第で怪奇が起こす影響、結果は良くも悪くもなるわけだ。
坊主頭の幽霊(女性)
場所…P県煤竹町の佐経橋
坊主頭の青いつなぎ姿ということで男の幽霊と勘違いされていたが本当は女な怪奇。片目がない。始めは姿を現さずに橋を通る人に寒気を感じさせ、高熱と幻覚を引き起こしていた。幻覚の中にその姿が現れて、やがて現実の橋にも現れるようになった後は橋を渡らなくてもその姿を見ただけで高熱を起こすようになった。「殺された。ささはらに。60年経った。やってやる」と言うような言葉を繰り返し呟いていた。ケトルを近くの木に吊るして動きを止めるのがその時取った藍風さん流のやり方。その後幽霊瓶に吸い込んだ。
後の協会の調べで60年前にその辺りに笹原と言う人物が住んでいたこと、どうにもあくどいことをしていたらしいことが分かったが、この怪奇の正体は不明。
アイドルさん
場所…T県T市の某小学校
こっくりさんの亜種。核となる双頭尾頭の蛇とそれに群がる怪奇の集合体。弦間さんの紹介で桾崎さんと対応した。校内で流行り、特に5年2組の女子3人が熱中していた。多目的室の長机の裏にある木の節を出入口にして、アイドルさんを行っていた3人の姿を隠し、その影響で児童に怪我や体調不良を起こさせた。555プロを騙って3人を上手く誘導し、桾崎さんが陰陽道や修験道かの方法で祓った。
ハサミババア
場所…G県文松市の某地区
たまたま通りかかった地域の集会所に現れていた怪奇。白髪で皺の多い丸顔、田舎で売っているような服を着ている老婆のような姿。両手にハサミを持っていて、私を追いかけてきた。結構速い。逃げても逃げても追いかけてくるため下り坂で勢いをつけて、持っていたかばんを叩きつけて動きを止めた。その後札を貼って封印した。
大森家の蔵近くの異世界
場所…G県G市杉紙地区
大森氏の家にある蔵近くで、ツァップさんと巻き込まれた異世界。色々と狂っていた。
・初めの空間 …初めに飛ばされた空間。背景は闇のように暗く、古い箪笥やつぼ、本、笠などが漂っていた。1時間くらいは一緒に漂っていたと思う。
・2番目の空間…古い木製の小屋。こちらの考えを読んでいるようで、壁を蹴り破ろうとしたときに部屋が拡大した(あるいは私達が小さくなった)。火を点けると脅すと扉ができて、外に出ることができた。
・3番目の空間…生きている濁った池、枝も葉も幹もねじ曲がった木々、周りを覆う壁に描かれた絵が刻一刻と変わっていくのが特徴的な空間。ツァップさんが聖水をかけて池を追い払い、行き止まりの壁は札で穴を空けることができた。札はだいたい万能だ。その分高価だが。
・4番目の空間…森。知り合いの声で笑う赤黒い木の実がぶらさがっていた。聴覚を制限してナイフで実を切り落とし、踏み潰した。普通の人は参る。
・5番目の空間…森。途中の道に石造りの小屋があり、3mくらいの鬼(1本角、皮膚は赤褐色)がいた。右手にすべての指が集中しているのが特徴的。執筆した本らしき紙を渡されたが字が汚すぎて読めなかった。この紙はそれなりの価値があったらしく、みーさんが興味を示している。現在協会に委託保管中。貰ったのは私。
・6番目の空間…森。色彩の狂った空間。奥に行くにつれてどんどん細かくなっていった。視覚を制限してモノクロにしたため耐えられた。ツァップさんは目隠しをして歩いた。
・7番目の空間…森。材質の狂った空間。
・8番目の空間…森。臭いの狂った空間。ツァップさんよりも私が狂いそうだった。嗅覚を制限して何とかした。
・9番目の空間…森。全ての物の大きさが狂った空間。終いには距離感まで狂った。火をつけたら空間がバラバラになり色々なものが別の場所から生えた。
・10番目の空間…森。古道具が落ちている空間。道具たちは日本語を話しているようだが、意味のある音ではなかった。終いには木や草、道までも話しているような音を出した。石造りの小屋があり、中にいた1m未満の鬼(1本角、顔が大きく3、4頭身、首が長く体に巻き付けている)がいて、何かの感想を求められた。ツァップさんはこの異界を作った張本人ではないかと考えていた。
苔むした大岩にある溝の近くに手を触れたことでこちら側の世界に戻ってくることができた。
半身の魚と目玉
場所…O県兎日町の公園
公園内に穴、あるいはくぼみを作った怪奇。見つけたときは銀色の2m大の魚で横向きに地面や壁などの表面を泳いでいた。鱗のいくつかが目玉になり、その目玉が群れて独立する。目玉が回転することで物の表面に穴、あるいはくぼみを作り出す。
始めは無機物だけだったが木や犬の表面にもくぼみを作るようになった。公園の担当者の怠慢で対応が遅れた。他の協会員が対応して消した。
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改めてあの異界は思い出しても頭がおかしくなりそうだ。大森氏との関連は不明であるが、何故あの日あそこに現れたのかが不明確である。
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