待ち合わせ
──さて、デートだ。
現在高校2年生の夏。生まれて初めてデートに誘われた。交際経験0で一般的にちょっと遅いんだろうけど、嬉し恥ずかしの初デートだ。
しかも相手は同性で美人の島崎遥さん。ただでさえ初めてだというのに、どうしてこう神は私に難問を課すのだろう。
ちょっと考えを楽にしよう。島崎さんは、高校に入って初めてできた友達で今度の日曜日に初めて2人で一緒にお出かけする、そうそれだけの話し──
「何かお探しですか?」
「ひゃい!?」
そ、そうだった。そのお出かけの為の服を買いに敵地もとい、まず来ない高めの服屋さんの真っ只中にいるんだった。ゆ、油断してた。高いのを進められてホイホイ買わされてしまう。
「お嬢さん高校生ぐらいかな?初めてのデートって感じかな?」
油断してた。こんなに見透かされるもんなのかしら。あなどれないプロの接客業。
でも島崎さんに近い感じがして嫌な気持ちにはならない。私もだいぶ人との距離に慣らされたんだな。
「い、いや、デートてわけじゃ。ただ一緒に初めて遊びに行くだけで......」
「そう。初めては照れるものよね。よし!お姉さんが気合い入れてドレスアップしてあげる!」
二十歳ぐらいの茶髪の店員さんのお姉さんに、あれやこれや見繕ってもらった。うーん、自分で選ぶ方が誠意あっていい気もしたんだけど、なんせ初めてだし、この人島崎さんに似てて嫌な感じもしなかったから、おまかせした。値段も分からないけど、そんなに高くないし、良心的な気がした。
「毎度ありがとう。次は自分の色出してみてね」
なにもんだこのお姉さん。エスパーか、ニュータイプか。接客業の恐ろしさを垣間見た。
家につき、1人部屋でゴロゴロしながら日曜日の、で、デートの事がどうしても頭に浮かぶ。店員さんに揃えてもらった服を着てみて何故かウフフという声が出ていたり、島崎さんの死にそうな顔を思い出して突如不安に駈られたり。
どうすればいいのか、どうなりたいのか、どうなるのか、最初の期待よりもどんどん大丈夫かな?という気持ち方が強くなっていきながら、数日を過ごした。
──そして日曜日。
この数日間、島崎さんも口数少なく物憂げな感じだったので、不安が頂点に達している。
逃げ帰りたい気持ちでいっぱいだ。だが、待ち合わせの場所に一時間前に着いた。着いてしまった。
さすがに私じゃないんだから島崎さんがこんなに早く着いてるはずはないと思ったけど確認のため見回した。
──いた。島崎遥さんがいた。
続く




