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下校



「さ、帰ろ!晃子」


昼休みに友達だと言ってくれた島崎さんが、やっばり私の手をさりげなく繋いで私を引っ張っていく。島崎さんの手、冷たくて夏のこの季節にはひんやりして気持ちいい──じゃなくて!



「し、島崎さん!しょ、小学生じゃないんだから!」



高校2年の夏である。ひょんな事で島崎さんの百合小説好きを知って内緒にしてから2人で時間を共にするようになった。

島崎さんはフランクでスキンシップ多めで私はそのたびドキドキしてしまう。今もそうだ。私は肌で触れ合うのは慣れない。

おーてーてーつーないでーで、



「あれ?私と手を繋ぐの嫌?」



「い、嫌じゃないけど......」



「じゃ、もーまんたい!」



島崎さん、ルンルンだ。あっ、あそこのグループこっち見て笑ってる。何か微笑ましいものを見る笑顔だ。は、恥ずかしい!



「それでね、歳納京子は──」



朝の百合トークに戻ってるみたいだ。

相変わらず百合の話しをする時は島崎さんはイキイキしている。

聞いているこっちが嬉しくなるぐらいに。

嬉しくなり全力で相づちを打ち返す。

それを聞いて島崎さんも負けじと全力で返してくる。


「──最後に船見唯が言うんだよ!」



......と、夢中になりすぎて私たちは声が大きくなっていた。周りを気にするのは私の特性だ。



「と、とと。島崎さん。ちょっとボリューム下げよ」



「?!今いいとこじゃない?」



「で、でも周りの人の目が......。百合話ししながら女子同士で手を繋いでるし──」



「!!」


島崎さんの顔が一瞬で赤く染まる。え?!ひょっとして島崎さん自分の行動に気がついてなかった?!だとしたらだいぶ天然な、いや、フランクなだけだよね島崎さん?!


私の手をすばやく離し、あうあうと口を動かす島崎さん。以前顔は真っ赤なままだ。



「ち、違うの、そういう事じゃなくて私は、ま、町田さんと友達なわけで、そ、そのもうしないから、ごめんなさい......」



島崎さんが顔を背け、目の輝きが無くなっていくのを見て私は──




このままじゃいけない。

そう思ったら島崎遥の手を握っていた。



「遥。貴女はおかしくない!ただ好きなものを好きなだけよ、それは悪い事じゃない!」



自分でもびっくりする程の声を出していた。

初めて他人を呼び捨てにしてしまった。でもあのまま、遥の目が死んでいくのは見ていられなかった。

とはいえ、やりすぎてしまった気がする。こんなに熱くなったのは生まれて初めてなので加減がよく分からない。



涙目の遥が目を回しながら



「──ありがとう晃子。一つお願いがあるの」



「何?遥」



「今度の日曜水族館でデートしませんか?」



「?!......う、うん」



何着ていったらいいんだ?!

混乱しつつも、はいと答えた私も顔が赤くなる。

周りにいた男子校生が小さくパチパチ拍手していた──




続く






































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