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日常



登校中、島崎さんと待ち合わせするのが常になった。


「それでさ町田さん、その時京子はこう言うの──」


おしゃべりしながら学校に通う。ほとんど百合話しだけどこんなにイキイキ話されたら聞いているこっちもなんか元気出てくる。

私は百合も範囲内でストライクゾーンは広いからいいけど、やっぱり私以外にはこの話しが出来なくて、溜まってたんだろーなきっと。


「ちな×あかもいいんだよね、晃子はどう思う?」


おっと、ゆるゆりの話しを聞いていたら、いつの間にか名前で呼ばれていた。聞き流すとこだった。いやー名前で呼ばれるの両親以外で初めて。ちょっと距離近いけど島崎さんだし......いや、でも嬉しいかな素直に。照れるけど。


「でもなークラスの友達とも楽しかったんだけど、百合話しが出来るのもあるけど、晃子一緒に居て疲れないのよね。町田さんと一緒がいい♪」


おっとやが君まで。あれはいいものだ。というか、島崎さんほんと百合にどっぶりだなー。この話し女同士でしゃべってて誤解されないかな。まあ、分かる人希にしかいないと思うけど。

それにこれだけ好きなモノに水差したくないし。私も漫画、小説、アニメの話しに飢えてたし。願ったり叶ったりだ。


「じゃあ後でね、晃子」


教室に入って島崎さんはクラスの友達に朝の挨拶をしている。やっぱり私は基本ぼっちなんだなと思わなくもない。

でも島崎さんの1番良い顔を見せてくれるのが自分だけだというのも、なんか優越感だった。


授業を聞きながらふと島崎さんの事を思う。

やっぱり偶然とはいえ、百合小説の秘密を知ったからの仲な訳で、百合に飽きたら、もとい十分友達も沢山いるし、その時は疎遠になるんだろうな──

つらつらと考えていたらネガティブに陥ってしまった。


お昼の屋上でご飯を食べながら島崎さんの百合トークも余り耳に入ってこなかった。また、ぼっちに戻ると考えたら。


「どしたの晃子?は!私の百合トーク飽きてきた?ちょっと待って、えーと他に何か......」


「ち、違う違う!......その島崎さんが百合に飽きたら、私じゃなくてもよくなるのかなって......」



がしっと手を繋がれた。



隣に座っていた島崎さんが私の手を握りしめ、今まで見せた事のない真剣な表情で私を見る。



「怒るよ晃子。晃子がそんな事思ってるなんて悲しくなる。そりゃあ最初は偶然での事かも知れない。だけど朝も言ったじゃない。一緒に居て疲れない、楽しいのは晃子だけだよ!知り合ったばかりだけど一番の友達だと思ってる」



「ご、ごめん......分かった。分かったから!」


「駄目。晃子がスキンシップ苦手なのは知ってるけど今はこの手を離さない。本当に分かるまで繋いでる」



ドキドキして頭がクラクラする。島崎さんは変わらず顔をこちらに向け真剣な表情を崩さない。目を逸らさせてくれない。

繋いだ手が熱い。私の手だ。島崎さんの手は冷たかったけど、徐々に体温が上がっていく。

どのぐらいの時間が経過しただろうか?私は、重ねた時間よりも、密度の高い出会いだとか、ぼんやりした頭が考えていて、やがてお互いの体温が同化した頃に、そっと島崎さんは手を離した。


「分かればよろしい」


ニッコリと島崎さんは笑顔で言った。

私は何も考えれなかった。ただ昼休みの終わりのチャイムが鳴っているのだけは分かった──





続く















































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