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お弁当

「一緒に食べよ」


島崎さんが購買で買ったパンを片手に私を誘う。

おーこれまた久しぶりの1人じゃない昼ご飯。......長かったなーぼっち飯。1人眼鏡を外して目頭を押さえていると、


「さっ、行こ!」


どこに?

島崎さんが前の席で座る様子がない。頭に?がついてまごまごしていると、島崎さんは手首を掴んで私を引っ張り上げる。

あーもう、スキンシップ多いなあ!何度触れられても慣れない。

女の子だけど島崎さん綺麗だもんなあ!


私を引っ張って、教室を出る。特に注目されてはいなかったけど無用にドキドキしてしまった。


「ちょっと待った。ついて行けるから、大丈夫だから」


私が静止すると島崎さんは手を離す。


「残念!青春っぽかったのに」


「そうかも知れないけど、どこで食べるのよ。教室でよくない?」


「教室じゃ、おおっぴらに百合話しできないじゃない。すごく青春っぽい場所よ。期待してよし」


階段を上がって最上階の扉を開く。

屋上だった──


「......これはまた、青春というよりラノベというような......」


「ラノベかあ!それはそうかもフフフッ。先生には許可取ってるから心配しなくていいよ」


島崎さん、恐ろしい娘。私と百合話ししたいだけの為に。

鉄柵の近く、下の風景を見渡す。


「人がゴミのようだ......」


「それ、やらなきゃダメ?」


いけない。何かを誤魔化そうとしただけなの!うーんやっぱりぼっちの時間が長かった弊害が出てるなー。


島崎さんが座って、隣を手でポンポンとする。促されるまま隣に座る。

眼下に広がる風景の前でお弁当箱を広げる。


「町田さん、自分で作ってきたの?私の購買で買ったパンが貧しく感じる......」


「大げさよ。ほとんどが昨日の晩の残りものなんだから。作ったの卵焼きぐらいなんだから」


「え?そうなんだ。でも卵焼きは町田さんの手作りなんだ。ヤバイちょー美味しそう!」


じゅるりという感じで卵焼きを凝視する島崎さん。いや、そんな見られると非常に食べずらい。いや誉めらて嬉しいけど......。



「......超美味しそう」


卵焼きを見る島崎さん。


「......」


無言の圧をかけてくる島崎さん。あーもうしょーがないなー!


「はい!」


箸で摘まんだ卵焼きの一切れを島崎さんの口元に差し出す。


「え!?」


「え!?」


島崎さんも私も驚きで目が開く。違った!?あーんしての要求じゃなかった?選択肢ミスった?タ、タイムリープしたい!!


「......ふふっ、アッハッハハッ!ま、町田さん、いや、ネタで私がそれやろうとしたけど...クックックッ、ヤバい町田さん面白い!お腹痛い!」


島崎さんに爆笑される。さっきは流されたのに。

ボッ!と、羞恥で顔が赤く染まる。

差し出した箸をどうすればいいか分からず赤くなったまま動きが固まる私。


「んじゃ、せっかくだしやっとこうか?あーん」


島崎さんが目をつむって口を開ける。島崎さんの綺麗な顔が至近距離に!......こ、こんなに恥ずかしいものだったのかあーんしてイベント!

先程の流れからで完全にテンパっている!頭がぐるぐるして、箸を持つ手元が狂う!


ぺちゃ。


「あん。」


卵焼きが島崎さんの頬に!!あん。ってなんだ!エロいぞ島崎さん!おっさんの気持ちがわかってしまう!分かりたくないけど......!



「ふふっもう町田さんのえっち。早く早く」


......も、もうダメだ。なんにも考えられない!

頭が完全に溶けながら悦子の口に卵焼きを放りこんで放心状態になる。


「んー!!ヤバイ!超美味しい!」


「......そりゃようござんした......」


「んじゃ、町田さんも。私のサンドイッチを、はい、あーんして」


「ひゃい!?」


──あーんしたり、させたり、記憶が曖昧で教室に戻った。

正直胸の動悸が激し過ぎて死ぬかと思った。



続く












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