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休み時間




教室で休み時間。晃子は1人で本を読んでいる。

晃子はちらりと島崎遥の方を見る。先程の休み時間にハグされた事を思い出して、少し目をそらす。男女問わずグループの輪ができていて、楽しそうにワイワイガヤガヤと騒がしく喋っている。

1人静かに大人しく本を読んでいる晃子と対照的だ。中学の時は文芸部に所属していて何人かの友達はいたが高校では、完全にぼっちだ。


ふと、遥がこちらを見た。目が合う。

ひらりひらりと軽く手を小さく振って笑顔でこちらを見やる。

晃子は、ぎょっとした。面識はあるものの、昨日秘密の約束をしただけの相手だ。ー普通ではないか。

ハグまでされて。

一瞬躊躇したものの、笑顔でこちらも軽く手を振り返す。若干口元がひきつり苦笑いになっていたが。


それを見てまた遥がグループの友達との会話に戻る。何て事なく喋っている。

晃子は、自分の心臓の動悸が聞こえるのを聞いた。そうじゃない。周りの喧騒は耳に遠く、ただ自分の意識が内に集中しているだけだと、思い直した。


なんて事はないと。


いつも通りの1日ではなかったが、それでもいつも通りに過ごして最後のホームルームの時間が終わりを告げるチャイムが鳴った。


さあ帰ろう。

晃子は、起立礼をした後帰り支度を整える。遥の方を見ると仲間とダベっている姿が見える。

そう、ただ彼女の秘密を知っているだけ。友達ではないのだ。ただの知り合い。そう思うと顔がちょっとうつむき加減になった。

そのままで教室のドアを通り廊下に出た。今日は「だんまち2」やってるなあ、明日起きれるかなあ?起きれるけどさ。

晃子は、1人今夜のアニメ放送を思って孤独感を誤魔化そうとしていた。階段を降り、校舎を出て、校門の先生に挨拶をして学校を出る。アニメ放送の時間まで小説の続きを読もう。島崎さん、どの辺りまで読んでたんだろうな?遥の事をつらつらと考えながら、晃子は歩いていた。




「待って!」


後ろからの突然の声にびっくりして動きを止める晃子。恐る恐るうしろを見ると遥がかがんだ状態で肩で息をしながら立っていた。


「だいぶなまったなー、ちょっと待って息整えるから」

顔見知りの女生徒が目の前でゆっくり呼吸を整えている。

晃子は、何が起きているのが分からなかったが、うつむき加減だった顔は正面を向いていた。

ハグをされた時の電気を打たれた激しい衝撃とは違って温かい期待が胸の内に宿っていた。



「一緒に帰りましょう町田さん」




小さな期待は目の前に現れた。



続く



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