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イミテイターイドル ~模造のヒトと偶像の機神~  作者: 靖乃椎子
Episode.1 イザ・エヒト:華麗なる記憶喪失者
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chapter.1 プロローグ「これまで」と「これから」の物語

今から始まることについて……。

 これは神話でも英雄譚でもない。


 ◆◇◆◇◆



 ことの始まりは西暦2015年だった。


 南極に飛来した隕石より現れた謎の生命体。

 通称、模造獣と呼ばれる変異怪物は突如として人類に襲いかかる。


 生物以外の物体に変化する能力を持ち、模造獣との戦いは劣性を極めた。

 辛くも勝利した人類は模造獣との戦いで開発された人型戦略機械・SVサーヴァントを発展させる。

 さらに世界全土に安全と平和をもたらすため地球統合連合政府が設立した。


 だが、SVの登場と政府の樹立は新たな争いを生んでしまう火種となるに過ぎなかった。



 それから時は流れて2035年。


 消滅したかに思われた模造獣が再び活動を開始、人々に襲いかかる。

 模造獣に対抗するために組織されたIDEALは人類の切り札である白き機神、exSVゴーアルターを率いて反撃に打って出た。


 ゴーアルターのパイロットとなる真道歩駆シンドウ・アルクは十六歳のロボット好きな高校生だ。

 偶然から白き機神と出会ってしまったことにより彼の日常は狂わされ、同時に巨大ロボットのパイロットになる夢を叶えた。


 戦いの最中、模造獣はイミテイターと名を変えてヒトへと進化を果たし、力を増して熾烈な闘争を極める。

 最後は冥王星にて決戦……相手は己の夢そのものだった。


 こうしてゴーアルターの活躍により模造獣との激闘は幕は閉じたのだ。


 その後、歩駆とゴーアルターは消息を絶ち、彼の姿を見たものはいない。


挿絵(By みてみん)


 ◇◆◇◆◇



 新たなる戦いが巻き起こった2057年。


 日本の新たな四十八番目の都道府県となった、人工島イデアルフロート。

 人類の明るい未来の作る将来有望な若者を育てる理想郷となる、はずだった。


 この島には大きな秘密と男の野望があったのである。


 島の防衛部隊FREESのトップ、総司令官の伽藍童馬は人工島イデアルフロートを乗っ取り、地球統合連合政府に宣戦を布告する。

 己の正義の為に世界各地を攻撃する伽藍のSV部隊に抵抗するのは、統連軍から独立した私設部隊リターナーと真紅の魔神、ゴッドグレイツ。


 搭乗者はイデアルフロートの学生パイロット、真薙真サナナギ・マコト

 同じくパイロットであった亡き父を追いかける16歳の少女だ。


 様々なSVと合体しながらゴッドグレイツは強大な力を得て、彼女の心も大きく変化していく。

 伽藍の差し向ける様々な強敵たちを次々と葬り、宇宙へと浮上したFREES要塞にて最終決戦を始める。

 世界を混乱させた巨悪、伽藍童馬を討ち取った。


 しかし、世界を救ったゴッドグレイツと真はその後、暴走事故を引き起こして月の最深部に封印されるのだった。


挿絵(By みてみん)


 ◆◇◆◇◆



 そして、現在。


 時は西暦2100年。


 来たる二十二世紀を前に人類は地球と月に分かれて戦争を始めようとしていた。

 人類史上初の惑星間国家戦争。

 その戦いを裏から仕組み、世界を掌握しようと蠢く組織の暗躍、陰謀、策略。


 重力から解放され、宇宙へ生活圏を広げても人は過ちを繰り返す。



 ◇◆◇◆◇



 しかし、それはこれから起こる事にとって、この事件は差ほど重要ではない。


 問題はこれよりも先の話だ。



 ◇◆◇◆◇



 己の存在をかけて白き機神と真紅の魔神は邂逅し、ぶつかりあう。


 舞台を銀河の果てに移して起こる全生命体を捲き込んだ終焉の戦いが始まる。


 この壮大な死闘を制した勝者が手にするのは“夢と現実”だ。



 ◆◇◆◇◆



 だが、今は人類同士の下らない争いを語ることから物語を始めることしよう。


 白き機神が地球に帰ってくる序章であるし、この僕……イザ・エヒトの物語でもあるからだ。


 それと先に言っておくと、このイザ・エヒトは主人公じゃない。


 だからイザについては何も気にする必要などない、どうだっていい。


 あくまで白き機神と真紅の魔神の戦いを厳粛に見守る“語り部”に過ぎず、二つの神の間に割り入るという無粋なことはしない。


 それが彼に与えられた役割ロールなのだから。



 ◆◇◆◇◆



 だから、改めてもう一度言う。


 これは神話でも英雄譚でもない。


 模造品イミテイター偶像イドル


 最終的に残るのは人間のちっぽけで自分勝手なエゴだ。


 それでもいいのならば物語を語ろう。




挿絵(By みてみん)


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