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箱詰め  作者: 小説太郎
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序章

初投稿です。書きたいものを書いただけなのでそれを楽しんでもらえたらいいなって思います。

――20XX年

 一つの小さな戦争が終わりを告げた。

 

 街外れの小高い丘にはある男が立っていた。沈みかけた夕焼けを背にして立つ彼の目には、荒れ果てた街だけが映っていた。その街には大きな塔が建っており、彼は静かに街を目指して歩き始めた。

 しばらく歩いたところで彼は塗装の剥げたベンチに座り、二つ折りの携帯電話を取り出し、電話をかけた。

 「……俺だ。今度こそ決着がついたよ。今そっちへいく。」

 彼はそれだけ言うと携帯を閉じ、立ち上がった。彼は小さく微笑みながら、空を仰いだ。いつの間にか日は沈んでいて、星が出始めていた。そこから15分ほど歩き、街へと到着した。街は依然として人の気配は無かった。が、その代わりに彼を迎えるかのように繁華街のネオンサインの明かりが点滅していて、街中で懐かしい曲が割れた音で響いていた。おそらく過去に設置された自家発電装置によって今も稼働しているのだろう。

 彼が再び歩き出した次の瞬間、街全体で流れていた曲はぷつりと止まり少しのノイズ音の後、放送が流れた。

 『――順、聴こえるか?俺だよ。お前、もしかしてまだ俺が死んだと思ってるんじゃないか?残念ながら俺は死んでない。俺は傷を癒し、再び世界を征服するつもりだ。それじゃあ、あばよ。』

 放送は止まり、再び曲が流れだした。

 「……なんだと。」 

 彼――順はあまりの衝撃にその場にへたり込んでしまった。

 「ヤツがまだ……まだ生きているだと……」

 たしかに順は彼にトドメを刺したはずであった。だが先程の放送はどう考えてもヤツだった。順は再び携帯を取り出し、電話をかけた。

 「……よう。」

 『順か。電話をかけてきたということは放送は聴いたらしいな。』

 「なぜ生きている樹!お前は俺が」

 『――トドメを刺したって?甘いんだよ、昔からな。』樹が電話の向こうでにたりと笑っているのが伝わってきた。

 「どこにいる?今すぐにお前をぶっ殺してやるよ。」

 『どこもなにも、お前の目の前にいるぜ?』

 順は、目の前にある塔を見上げた。頂上に人影が見える。

 「そこから動かずに待っとけ。俺がもう一度殺してやる。」

 順はそう言い放ち、携帯を閉じた。彼は塔の中へ入った。

遅筆なので次いつになるかわかりません。

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