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暁の空 其の四

作者: 大上

天気がいい


行楽日和といったところか


このような休日は早朝の電車も


混雑せずに非常に快適だ


しかし少ないながらも


人は乗っている


部活へ向かう高校生


休日出勤の会社員


大荷物の旅行者


様々な目的を持ち


偶然我輩と同じ車両に乗り合わせた


赤の他人



ほんの僅かでも我が軌跡を違えば


彼らは今の我輩の認識ではない存在


恩師、恋人、家族、親友、等々


十分に起こり得たのだろう


その人と同じ年に生まれ


同じクラスになり


時間を共有すると


もう友人である


また


その人の元に生まれていたら


家族という存在となる


はたまた


人生の指針を示してくれる


先生であったなら


その人は欠けがえのない


恩師となるだろう



ここで視点を変えるとまた


非常に興味深い


我輩のことを愛してくれる


大切な家族


我輩にとって何より大切な家族は


彼らにとりまた赤の他人


ということである


何をするにも気にかけてくれる


我輩の宝は


彼らからみると


雑踏の一部


それもそのはず


関わりの有無、密度、質


根本的に関係性が異なる


・・・・・・・・・・・・


では


もし仮に


我輩が異なる場所に生を受けていたら?


きっとそこには


我輩を抜いたまま


幸せな生活が送られる事だろう



思考するだけで猛烈な吐き気と


螺切られる様な胃の痛みと戦いながら


我輩は書き、残す


我輩抜きの食卓を囲み


団欒し


旅行にも行く


記憶にすらない者のことを


気にも止める人は居ない


一歩間違えれば


十分起こり得た現実



もしかしたら


知らぬが仏


あなたにも


そのような事態が


すでに起きている


可能性が無いことは


誰も証明することは出来ない



以上


ありがとう





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