対面
扉の先にいたのは、女の子だった。
黒髪で長髪…カゲロウ中学の制服を着ている。私のクラスでは、見たことない子だから1つ下の学年か…。
「おまたせ。」
そう言って、女の子が座っているソファーの向かいに座るイシカ。しぶしぶ私も、その隣に座る。
「じゃあ、まず2人とも自己紹介しよっか」
笑顔でイシカが言う。自己紹介…。自己紹介ねぇ…。
「リーフだ。よろしく」
…これぐらいしか言えない。逆にこれだけ言ってれば十分だろ!?
しかも目線をどこにやればいいか困る…。普通に相手を見ればいいんだろうけど、無理だ。
ああ、相手から言い出すの待ってれば良かった。
「ゆ、ユキヒナです。よろしく」
しばしの沈黙。イシカさえ喋らない。いや、喋ろよイシカ。
…これはあれか。相手さんもコミュショーか。すごい不安げな顔してるけど。
イシカー。ヘルプ。ワタシジャムリ。
しかも…敬語。んー。敬語か。
「敬語、無くていいよ。なんか、慣れない。」
「そ、そうでs…そう?…じゃあそうする、ね。」
少し笑顔で言うユキヒナ。うん。もう、いいよね。イシカ。喋ろうか。にっこりしてないで喋ろうか。な?お前、なかなか喋れない二人が徐々に喋っていき、最終的に仲良く喋ってる図が見たいだけだろ。無いからな。絶対に。
そう言った意味を込めて、イシカの方を見る。そして、それが伝わったのか、それとも満足したのか、話を始める。
「よし、じゃあまずこの団体の説明をしようか。」
ここで1つ考えた。
私の能力って分かりやすいか?
短かったな。