新人さん
今回は視点が変わります。
1人、自由な時間を過ごしていた。
ここは私の部屋。窓が閉めてあり更にカーテンで完全に太陽の光が届かないようにしてある。別に明るいのが嫌いな訳ではない。実際普通に電気はついている。こうしている理由はただ「朝起きた時に窓から光が差し込むと眩しくてイライラするから」だ。
朝は弱いから少しのことでイライラしてしまう。1回、朝早くに起きるためにアラームを設定してみたがそれもなぜか急に鳴りだすことにイラッときてしまい、結局早起きは出来ないままだ。他にも…。
と、話しすぎか。どうでもいい話だな。
ともかく、私は今、1人画面に向かって動画サイトを巡っているわけだ。
何時間こうしていただろうな。そろそろ疲れてきた。しかも暇になってきた。
だいたいあいつらは何処に行ったんだ…。珍しく昼前に起きたと思ったら広間にいっても誰もいないし、一部を覗いて部屋でおとなしくしてる奴なんていないし…。
まあ、そのうち帰ってくるだろう…と、思って部屋に戻ったが、深夜になっても帰ってこない。丸1日誰かがいないことなんて、よくあることだから別に心配はしないが…いかんせん暇だ。
…いや、寝ればいいんだろうけど。最近夜更かししすぎたせいで3時ぐらいまでは眠気が来なくなってしまって、寝れない。不便だ。いっそのこと寝なくていい体が欲しい。…寝るのは好きだけど。
ふと、時計をみると2時を回っている。ほんとにやることがないので、パソコンを閉じて、音楽でも聞きながらベッドに潜るか。音楽があれば寝れる気がする…まあ、結局1時間ぐらいゴロゴロするのが落ちだけど。
イヤホンを外し、パソコンを閉じる。すると広間の方から声がすることに気づいた。「誰か帰ってきたかな。
そう思ったが、一回寝る姿勢に入ると他のことのやる気はなくなり、体は全力でベッドに向かうため部屋から出ることはしなかった。
しかし、私の眠りは妨げられた。緑色のパーカーを着た人物に。
「お、やっぱりまだ起きてた。こんばんは、そしてただいま、リーフさん。」
「おかえり、イシカ。だがしかし俺は寝る。」
イシカに目は向けたが私はそのままベッドへと潜りこむ。
「寝る前に、新人さんにこの団のこと説明するから、能力披露よろしく。」
超笑顔で私の音楽プレイヤーを奪うイシカ。今何時だと…。
「他にも分かりやすい能力のやつはいるだろ。」
「皆さん不在です。」
「部屋にもいない?」
「いないよー。朝まで帰ってこないだろうし。昨日の朝に用事があるとか、依頼消化してくるとか、ゲーム買いにいってくるとか…。」
「俺も出掛ければ良かった。」
だいたい、コミュショーな私に新人さんと会えと言うのか…。無茶な。
「リーフさんは喋らなくていいからいいから。」
イシカに背を押されながら、仕方なく部屋を出る。
「っていうか、新人さんなんて聞いてないんだけど…。」
「あれ、言ってないっけ。『目を創る』の子。」
「あー、なんか言ってたね。」
最近、引きこもってたせいで日付感覚が狂ってきて、最近のことさえうっすらとしか覚えてない始末。我ながらこの生活はやばいと思う。不健康だ。
そんなことを考えている間に広間へと繋がる扉の前へ着いた。
イシカが扉を開く。
私の眠そうな目が、その先の人物を捉えるまであと数秒。