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一つの想いが宿る世界 第八話 【EASG】

「ちょっと待って!」

声を荒げて呼び止める僕に対して彼女は不思議そうにこちらを見やった。

「・・・・・・」

「東都南城大学って・・・」

少女「・・・・・・」

「嘘だろ・・・大変だ!」

少女「・・・・・・?」

スピーカー「残り1時間で夜間外出禁止令が発令されます。警察・テロ対策庁など、許可を受けた司法警察職員と確認出来ない場合は逮捕・拘留の措置を・・・」


-----東京某所・路地裏・22:00-----


「はぁ・・・はぁ・・・」

少女「・・・・・・」

「何処に居るんだ!?」

少女「・・・・・・」

少女は状況を把握できないで居るのか。変わらず無表情で僕の顔を見つめている。

「ごめんね・・・こんなことに付き合わせちゃって。」

少女「私の任務はあなたの警護・・・」

「・・・・・・」

その時だった。僕は後ろから近付いている警察官の存在に気付けずに居た。

警察官A「そこで何をしている!!」

「あ、えっと・・・」

僕たちに向かって怒鳴りつけてきた2人組みの警察官は腰のホルスターのフラップを外し既に臨戦態勢に入っていた。そんな時、ニーナはゆっくりとこちらに近付く警官に対しものすごい形相で睨み付けていた。

警察官B「渋谷1 遠藤からPS」

無線「渋谷PSです どうぞ」

警察官B「井ノ頭通り路地裏付近にて 不審者と思わしき男女を発見 ここまで至急・・・」

その時だった。ニーナは持っている拳銃を警察官たちに向けて撃ち始めた。

「ちょ、ちょっと何やってんの!!」

少女「隠れて・・・」

「え?」

僕はそうこうしているうちに彼女に近くの壁へと強引に押し込まれた。案の定警察官たちはニーナの発砲に対して応戦してきている。

銃声「パンッ!パンッ!」

少女「走って!」

「は、はい!」

警察官C「逃がすな!回り込め!」

警察官D「パトカーから散弾銃を取って来い!」

警察官A「くそっ!弾切れだ!」

警察官B「俺もだ!」

銃声「パンッパンッ・・・カチッ・・・」

警察官たちの拳銃の弾が尽きたのか、発砲音が鳴り止んだ。それと同時に少女が持つ拳銃も弾が尽きたようだ。

少女「ちっ・・・」

警察官A「向こうもか・・・」

警察官E「確保しろ!」

少女「そこの壁を超えて!」

「え?」

少女「早く!」

「はい!」

僕が塀を乗り越えようとするとすぐそこにまで警察官たちが迫ってきていた。

警察官A「待て、こらっ!」

少女「はぁ・・・!」

追いかけてくる警察官に対し少女の回し蹴りが決まった。

警察官B「くそっ・・・!」

金属音「ジャキッ・・・」

1人の警察官が少女に返り討ちにされている様子を見た警察官たちは応戦しようと装備している三段式特殊警棒を伸ばした。

少女「はぁああああああ!」

警察官B「ぐはっ・・・」

向かっていったもう1人の警察官も力ない声を出しながら少女になぎ倒された。

「す、すげぇ・・・」

少女「急いで!」

「すみません!」

少女が警察官たちの進行を食い止めている間に僕はなんとか塀を乗り越えた・・・。

「普段の運動不足が祟ったなぁ・・・」

そんなことをぼやいていると横から少女が降りてきた。それと同時に正面から応援の警察部隊がこちらへと迫ってくる。

少女「私から離れないで!」

「はい!」

少女はそう言うと右の脇道へとそれて行った。

「EASG・・・」

少女「登って!」

「ダメだよ!この先は・・・」

サイレン音「ウーウー」

「クソッ・・・」

警察官A「居たぞ!」

僕はフェンスを登った。少女もそれに続いて上ってきた。

警察官B「クソッ!門まで急げ!」


-----East Asia Security Guarantee・本社・正門-----


歩哨A「警察が来たぞ!」

歩哨B「おかしいな。そんな話は聞いてないが。」

歩哨責任者「構うな!不審者へは容赦なく防衛手段を行使しろ!」

集まった警察官たちの手には拳銃や散弾銃が握られその銃口は正門へと向けられていた。続々と集結してくる正門前の警察車両から1人の警察官が拡声器を持って降りてきた。

拡声器「こちらは渋谷警察署である!現在そちらの私有地に追跡中の被疑者が侵入した!そちらの社内を捜索したいため捜査協力を要請する!」

スピーカー「こちらはEASGの歩哨責任者だ!令状のない捜査協力の要請には応じない!ここはEASGの所有する私有地である!即刻立ち退きを命令する!従わない場合は住居不法侵入とみなし必要な防衛手段を行使する!」

警察官A「従わないつもりか・・・」

警察官B「機動隊と銃器対策部隊をここに集結させろ。」

拡声器「こちらは渋谷警察署である。こちらに対しての発砲は公務執行妨害に値し・・・」

銃声「パシュッ・・・」

一発の銃声が警察側の警備責任者の頬をかすった。

スピーカー「現在発砲したのは警告射撃だ!最終警告に値し従わない場合は防衛手段を行使する!」

拡声器「現在の発砲はこちら側に対しての公務執行妨害とみなす!確保しろ!」

警察側の警備責任者がそう叫ぶと警察官たちが正門へと歩を進めようとした。しかし1人の歩哨が警察車両へと発砲するのを合図にEASG側の歩哨たちが次々と発砲を始めた。

拡声器「応戦しろ!」

発砲を受けた警察官たちも手にした銃器を正門へと向けて発砲する。しかしEASG側の機関砲を備えた歩哨に対抗できるすべもなく警察は撤退して行った。

拡声器「総員退避しろ!一時退避!」

EASG・・・East Asia Security Guaranteeの略称。日本国に拠点を置く業界最王手で世界規模の民間軍事会社兼警備会社。戦車や戦闘機、装甲車や駆逐艦など、装備は正規軍にも劣らない。正規軍の後方支援や物資輸送の警護。その他にも要人や著名人の身辺警護など業務内容は様々。世界的な兵器開発メーカーとしても知られており、社員は亡命軍人や服役経験者を中心に構成されており、その活動実態は政府の庇護が無ければ民間人から人権侵害で訴えられてもおかしくない横暴さがある。警察・JCTによる監視対象の1つであり、噂によれば軍による非合法の兵器開発に関わっているとも・・・

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