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第2話~不慣れな新生活~

 


「それで、その急な依頼ってのは何なんだ?」



「あ、はい、リッカという小さな村にモンスターの群れが近づいているらしくて、それを追い払って欲しいとのことです」


「モンスター、ねぇ…」


 急に言われても、という雰囲気に満ちた表情のラギ。


「(第一、何の引っかかりもなくここまで他人と話せていることに驚きだよ僕は…

 ゲームの中だからかな)

 リッカっていうのはここからどの位かかるんだ?」


「ええと…馬車を使えば4時間くらいですね」


「4時間…?」


「悪路だったらもう少しかかりますけど、今日だったら多分大丈夫ですよ!」


「バカ、4時間って言ったら時速100km/hで400kmだぞ!?」


「何をそんなにトチ狂っているのです…」


「まぁいいか…道中寝ればすぐだし…

 で、その馬車ってのはどこで乗れるんだっけか」


「ええと、オサスナの国土とその外の公域の境目にある城門の近くに貸馬車屋がありますね。

 あ、ラギはまだ新米なので、協会からまずは同じランクのハンター同士でチームを組むようにとの通達が…」


「え、チームなんて組みたくないんだけど…人怖いし」


「そ、そんなことソラに言われても…」


「まぁ、とりあえず向かおうか、リッカに」


「ちょ、ちょっと待って!

 そんな私服で行くんですか?」


 ラギは現在、〈ぬののふく〉、いわゆる初期装備に身を包んでいた。


「着替え、どこにあるか知らない?」


「そこのタンスの中にあると思いますが…」


「よし、着替えるか」


「えっ、ちょっと待って!

 今部屋出ますからっ!!」


 つまづきながら慌てて部屋を出ていくソラの姿を見送り、ラギは微笑みながら、



「…さて、"ヘルプ"」


 シュポンッ

 と、空中に何かが出てきた。


『お呼びですかー?ナビ子です!』


「このゲームで、自分のステータスの確認はどうすれば出来るんだ?」


『えへへ〜よく聞かれる質問ですね!

 残念ながら詳しいステータス、例えば筋力や敏捷等のステータスは

 視認することは出来ないのです』


「なっ…

 でもこれはRPGだろ?

 レベルとかは無いのか?」


『厳密に言えば無いです。

 この世界では装備品や使い魔のアビリティ一つ一つに、

 "これ以上のレベルに達すれば使えるようになる"という制限があります。

 ここで使われているレベルというのは〈優先度(プライオリティ)〉と呼ばれていて、

 それぞれ〈装備優先度(アーマー・プライオリティ)〉、

 〈能力優先度(スキル・プライオリティ)〉があります。

 自分の優先度がそれぞれを超えていれば、その装備、又はアビリティが使えるという仕組みです 』


「その優先度とやらはどうすれば上がるんだ?どうすれば確認出来るんだ…?」


『現実世界に例えると、例えば筋力トレーニング。

 トレを重ねれば、自分に掛けられる負荷も上げていけますよね?

 そのように様々な修練を積めば地道に上げていけます。

 ちなみに、いわゆる隠しステータスとして、修練によっては筋力や敏捷等も上がっていきます。

 確認方法は優先度のみ、メインメニューのステータスから確認することができます』


「ま、待って、メインメニューはどうすれば開けるんだ?」


『右手の人差し指と中指を伸ばし、体の前で縦に振ればメインメニューを開く事が出来ます。

 メインメニューからはログアウトが可能です』


「そうかログアウトか…忘れてたな。

 試しに開いてみよう」


 ラギが右手を振ると、チリンッと鈴の鳴るような音と共に、

 目の前に水色のウィンドウが出現した。

 そこには、最上段にユーザーネーム〈ラギ〉とあり、

 順に、

 ステータス

 使い魔

 アイテム

 メール

 設定

 ヘルプ

 そして一番下にログアウトの欄があった。



「この〈使い魔〉ってのは?」


『はい、現在使役している使い魔についての情報を見る事が出来ます。

 ステータスやスキルなどを参照することができます』


「このユーザーネームの隣にある数字がランクって事か?」


『はい、ラギさんはランク1ですのでまだ新米さんですね』


「それはそうだろうさ。

 よし、わかった。もういいよ」


『ありがとうございました、

 また御用がおありでしたら、気軽にお呼びください!』


 出現した時と同じ音と共にナビゲーションピクシーは消失した。

 …ちなみに、ピクシーを呼び出してから20分近くが経過しているのだが、その間、ずっとソラを待たせているという自覚は残念ながらラギには欠片も無かった。




 ―――――――――――――――



「ラギ、遅いなぁ…

 チーム組みたくないなんて言っていたけど、今日組む予定の人が訪問すると言ってたし…どうしよう」


「正直、堅苦しい雰囲気がないって点では他の使い魔のみんなには羨ましがられるかな…」


「チームの人と合うといいけどな…」



 独り言で自分と会話しながら部屋の前で待機中のソラ。

 先刻から部屋の中からラギの"独り言"が聞こえているのを若干心配しつつ、ホームの外に意識を傾けていると、


  コンコン、と。


 来客を告げるノックがあった。


「ラギさんはいるかい!」


 野太い男性の声がした。

いかがでしたか。

長いこと説明が続きました、次回は新キャラが登場しますね。


様々なご感想お待ちしております。

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